暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1189話
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食べられないという……いや、オーブにも寿司屋があったんだし、すき焼きを出す店があってもおかしくないけど。

「お嬢様、この白菜は丁度いい頃合いでございます」
「本当? あ、美味しいわね。ただ、生卵で食べるというのはちょっと驚いたわ。リズもそうでしょ?」
「生卵、美味しい」
「何でも聞いた話によると、この国の人間は生卵をご飯に掛けて食べるTKGという料理があるという話です」
「TKG!? 何それ、格好いい名前ね!」
「……あの、イリヤ、それは……いや、誤解じゃないんだけど、正解でも……」

 イリヤ一行に対して、言葉を濁す衛宮。
 TKGとか、どこのプロレスの必殺技だって感じだよな。
 ただ、ドイツ……というかヨーロッパでも生卵を使ったタルタルステーキとかがあった筈だけど。違ったか?

「桜、鍋の世話ばかりしてないで、貴方も食べたらどうです? このお肉はとても美味しいですよ?」
「あ、うん。ありがとうライダー。そろそろ皆も落ち着いてきたし、私も食べさせて貰おうかな。……けど、藤村先生が今日の事を知ったら残念がるでしょうね」
「藤村ですか。確かにあの人なら、何故私も呼ばなかったと言うのは間違いないでしょう」

 うん? ライダーも藤村を知ってるのか?
 いや、桜やワカメのサーヴァントとして活動してきたのを思えば、藤村と会っていてもおかしくないか。
 俺と違って、色々な場所で藤村とのつき合いがあっただろうし。
 弓道部とか。

「あははは、確かにね。藤村先生なら、羨ましがって暴れそうだ。衛宮辺りも気をつけた方がいいんじゃないか?」
「ちょっ、おい美綴!? お前、まさか藤ねえに言うつもりか!?」
「さて、どうだろうね。ただ、場合によってはあたしの口が軽くなることはあるかもしれないかも」
「……何が狙いだ……」

 ライダーや桜、衛宮、綾子のやり取りを聞きつつ、長ネギを口へと運ぶ。
 うん、美味い。

「アークエネミー、すき焼きはどう?」
「うん、美味いな。今日、この場で食べる料理としては最高の料理だ」

 凛の問い掛けにそう言葉を返す。

「でしょうね。このお肉は随分奮発したんだから、これで不味いとか言ったら色々と面白い事になってたわよ?」
「一応あの福引きで商品券を当てたのは、俺の筈なんだが」
「何言ってるのよ。アークエネミーの物は私の物に決まってるでしょ」

 お前は、どこのガキ大将だ。

「まぁ、もっとも私自身はアークエネミーのものなんだけどね」

 薄らと頬を赤く染めながら告げる凛は、微妙に艶っぽい。

「あの、ここでそういう雰囲気を出されるのはちょっと困るんですけど」

 桜の言葉に、凛が我に返って取り繕う笑みを浮かべる。

「あら、何の事かしら。私はただ彼と
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