Fate/stay night
1189話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よ。ほら、アークエネミーもしっかりと食べなさい。今日の主役はあんたなんだから」
そう告げつつ、凛の箸は俺の生卵の入っている器に次々とすき焼きの具を入れていく。
椎茸は非常に肉厚で、エリンギはその食感が、エノキはコリコリとした歯応えが。
白菜は煮え過ぎておらずシャキシャキとしており、長ネギは一口噛み締めれば口の中に熱々の長ネギのエキスを放つ。
豆腐は普通の豆腐ではなく焼き豆腐で、煮込まれても型崩れしない。
しらたきは生卵に絡めて啜ると、一気に生卵を消費してしまう。
……うん、美味いな。
「ほら、アーク。追加の卵だ」
「悪い」
綾子から渡された卵を、再び器に割り入れる。
そうしてかき混ぜながら周囲の様子を眺めると、セイバーはひたすら鍋へと箸を伸ばして生卵を絡め、口へと運んではコクコクと頷き、衛宮や桜は次々になくなっていく鍋に具を投入し続けていた。
イリヤとリズはセラに世話をされながら食べ、目を輝かせている。
いや、リズはメイドじゃないのか? と思ったけど、リズの性格なら仕方ないか。
凛は俺の世話を焼きながらも、しっかりとすき焼きを食べており、綾子は食う方をメインとして時々俺の世話を焼いていた。
ライダーは桜の器に具を取っては、自分もしっかりと食べている。
うん、まさに鍋戦争とでも呼ぶべき仁義なき戦い……というのはちょっと言い過ぎだが、それでも賑やかな食卓なのは間違いない。
ただ、この食事風景も今日で最後か。
大聖杯が壊れて、どんな結果になるのかは分からない。
だがそれでも、このメンバーがこうして集まって食事をするというのは、多分この先もう殆どないだろう。
特にイリヤ、セラ、リズの3人はホムンクルスである以上は このままって訳にはいかない可能性が高い。
その辺は、凛の伝手を使って何とか……いや、確か桜ルートだと人形がどうのこうとってあったのを思えば、どうにかなるか?
「ほら、アークエネミー。この焼き豆腐も煮えてて美味しいわよ?」
凛が器に盛ってくれる焼き豆腐を、口の中へと運ぶ。
普通の人間なら、熱々の焼き豆腐で口の中を火傷するかもしれない。
だが、俺の場合はそんなのは関係ないとばかりに豆腐を噛み砕き、煮込まれた焼き豆腐を味わう。
「アークだったら、豆腐よりも肉だろう」
綾子が入れてくれた牛肉は、さすがに高級な牛肉だけあって美味い。
口の中に入れると肉汁がジワリと溢れ出て、それでいながら柔らかく、すき焼きの出し汁の味と絡められた生卵が幸せな味を感じさせる。
すき焼きだけでも十分に美味いが、これに炊きたてのご飯が組み合わさると、もう最高としか言えない。
うん、やっぱりすき焼きは日本の宝だよな。
ただ、ネギま世界辺りでしかすき焼きは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ