アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの共闘を 03
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、さすがにここは人が多いし、移動しながらでもいいよね?」
「ああ、俺はいいぜ。 アスナもそれでいいか?」
「うん、私もそれでいいけど、アマリはどう?」
「もちろんオッケーですよー」
きっちりと全員の同意が得られたところで、僕たちは転移門に歩み寄った。
今日の目的地である迷宮区へは直接転移ができないので、まずは迷宮区の最寄りの町を転移先に指定する。 そこからは徒歩で迷宮区を目指すことになるわけだけど、この4人であれば問題はないだろう。 フィールドよりも高レベルのモンスターが出る迷宮区でだって、アラームトラップにかからない限りは余裕で進めるはずだ。
いくつかの懸念材料はあることにはあるので、それを解消するために思考を重ねながら、僕は目的の町の名前を口にした。
「『心渡り』?」
「そう。 心を渡るって書いて『心渡り』」
キリトが発動してくれている索敵スキルの恩恵で周囲にモンスターもプレイヤーもいないことを確認してから、僕はクラディールを破ったシステム外スキルの説明を始めた。
僕を嫌っているアスナさんは合の手なんて入れてくれないし、アマリはアマリであれの詳細を知っているから口を挟まない。 だから、僕とキリトの2人での会話になってしまうのは無理もないだろう。
「意識の空白って僕は呼んでるけど、そう言うデッドスペースに身体を捻じ込んで視界から……正確には意識から消える技術だよ。 要するに不意打ちだね」
「意識の空白?」
「んー、ミスディレクションって言えばいいのかな? 手品とかで右手を振り上げた瞬間に左手で何かしらをすると、大体の観客はそれに気付かないでしょ? 原理はそれと同じ。 他のことに意識を向けた一瞬を利用するんだよ」
「いやでも、デュエル中に他のことに気を取られるなんてあるのか? お前はゆらゆらしてただけでで何もしてなかっただろ?」
「珍しく勘が鈍いね、キリト。 まあ、僕が何もしなかったって言うのは正解だけど、あの場にいたプレイヤーは全員、僕とクラディール以外の何かに一瞬だけ気を取られたはずだよ」
クスクスと笑いながら言うと、意外な人物からの返答があった。
「デュエル開始の表示、ですか?」
「ん……うん、そう。 その通りだよ。 デュエル開始を知らせる表示が宙空に瞬いたあの一瞬だけは、絶対にそっちを見る。 人は動くものを目で追う習性がある、なんて言うのは説明するまでもないよね? 程度の差こそあれ、反射的に起こる現象は止められない。 そして、僕にはその一瞬で充分なんだよ」
アスナさんから相槌があるとは思っていなかったので、説明を繋げるまでに一瞬の間が空いたけど、よくよく考えてみればアスナさんは心渡りを体験していて、しかもその時に負け
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ