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ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの共闘を 03
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て以来どことなく不仲だった2人だけど、その様子を見ている限りではもう和解しているようだ。
 もっとも、キリトがどうこうではなく、アスナさんが素直になっただけだろうけど。

 そんな仲睦まじい2人を見てクラディールはブツブツと何事かを呟いていたけど、僕のところにまでは何も聞こえない。
 やがて、マントを翻すと転移門に向かって歩き出した。 その道中で僕にすれ違う際、小声で、それでも確かに僕に届くだけの声量でボソリと言った。

 「殺す……貴様は絶対に殺す……」

 それだけを言い捨てて去っていくクラディールの後ろ姿を見送ってから、僕は仲睦まじい2人組に視線を戻した。
 張り詰めた表情のまま、アスナさんは僕を見て言う。

 「巻き込んでしまって申し訳ありません」
 「あー、別にいいよ。 僕が勝手にやったことだしね。 むしろ咎められて然るべきじゃないかな?」
 「咎めるつもりはありません。 あれはこちらの落ち度です」
 「そう。 なら安心だね」

 アスナさんの落ち度ではないけど、血盟騎士団の落ち度と言えば確かにそうだ。 少なくとも、護衛の人選に問題がある。
 あのいけ好かない聖騎士様の指示とは思えないので、きっと参謀職の人たちの仕業だと言うことは容易に想像できる。 アスナさんが謝る理由にはならないけど、良くも悪くも真面目なアスナさんなので、謝罪しないと気が済まないのだろう。

 「それはそれとして、ありがとね。 アスナさんが仲裁してくれて助かったよ。 キリトは火に油を注いでくれたみたいだけど」
 「そう言うお前はしっかり挑発してたけどな」
 「それが僕の趣味だからね。 まあ、一応お礼は言っておくよ。 庇ってくれてありがとう」
 「初めからそう言えよ。 いや、そんなことより、さっきのあれはなんなんだ?」
 「あれ?」
 「デュエルが始まってすぐに消えたあれだよ。 何かのスキルなのか?」
 「自分でも思ってないことを口にするのは感心しないね。 そうじゃないって分かってるでしょ?」

 適当にはぐらかそうとため息を吐く。
 軽く非難の視線を向けるけど、当の本人はまるで気にしていない。 そしてあろうことかアスナさんまで興味津々の顔で僕を見ている。

 ここで誤魔化すのは簡単だ。
 デスゲーム云々はもちろんのこと、普通のゲームでだってスキルの詮索はマナー違反であり、たとえシステムに定義されていないスキルであろうとそれは変わらない。 僕がここで何も言わなければ知られることはないし、唯一あれの詳細を知っているアマリだって僕が言わなければ教えたりしないだろう。 あるいは明確に拒絶すればこれ以上聞かれはしないはずだ。

 とは言え特に隠す必要がないのも確かなので、僕は渋々の調子で頷いた。

 「分かったよ。 けど
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