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大海原でつかまえて
02.艦娘たちとの初会合
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ます。まずは鎮守府に来ていただき、提督がお会いしたいと」
「え……姉ちゃんを助けには行かないの?」
「すでにここは敵勢力圏内に入っているであります。早くここから移動せねば……それに残念ながら、比叡殿が今いる場所はここからかなり離れている様子」

 確かに、この近辺で戦闘をしている気配はない。レ級と戦った時は、小田浦港から離れたうちにまで、レ級の砲撃音が聞こえてたもんな……それに比べたら、ここは波の音以外何も聞こえてこない。ぁああと岸田の泣き声。

「加えてこのあきつ丸も戦闘力はあまり高くない故、今のままでは比叡殿の救援に向かっても、かえって足手まといになるであります」
「そ、そんなんやってみなきゃ!!」
「よせ岸田! あきつ丸は支援タイプの艦娘で戦闘力は確かに高くない。足手まといになるってのは正しい」

 突然岸田が覚醒してこんなことを言い出す。なんだこいつ突然真人間みたいなこと言い出して……

 だがたとえ甲殻類であったとしても、艦これ歴の長い岸田がそういうのなら、確かなのだろう。僕はなんだかんだで艦これのことはまったく知らない。あの後自分でもプレイしてみようと思ったのだが、『姉ちゃんではない比叡』を手に入れることにどうしても抵抗があり、結局プレイすることはなかった。

「だから我慢だシュウ」
「うう……」
「お気持ちはお察しするが……どうかこらえていただきたいのであります」

 確かに今すぐにでも助けに行きたい気持ちではある。あのレ級との戦いを体験したあとだからなおさらだ。あの時のように傷だらけになってなければいいけれど……。

「あー!! いたいたー!! おーいあきつまるー!!」

 僕が真人間になった岸田とあきつ丸さんに説き伏せられてこらえていると、不意に海の方から女の子の声が聞こえた。声のした方を向くと、ライトをつけた女の子4人がこっちに向かってきており、ノースリーブのセーラー服を来た子が一人、こちらに向かって手を降っていた。4人の子たちはあの日の比叡姉ちゃんのように水面に立って滑走しており、4人で小さなボートを引っ張ってきていた。

「迎えが到着したであります」

 あきつ丸さんがそう言い終わるか終わらないかのところで、4人の子たちが波打ち際までたどり着いた。4人は砂浜に上がり、僕達のところに歩いてくると、ビシッと敬礼を決めた。

「軽巡洋艦川内以下4名。みんなを迎えに来たよ!」
「やはり川内殿が来たでありますか。ご苦労であります」
「夜だからね! 夜は誰にも譲れないよ!!」

 あきつ丸さんと話をしていた人……川内さんはそう言うとニカッと笑った。暗闇なのに、白い歯がキラーンと光ったように見えたのは僕の気のせいか? その後、川内さんはこっちを見ると、ツカツカと僕達の方に歩み寄り、僕達
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