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光のない宇宙空間。その中を二つの閃光が走り、ぶつかり合っている。まるで互いの存在そのものを許さないかのような、鬼気迫るものを宿しながら止まることなくぶつかり合う。
その閃光の正体は人ではない。鋼で出来た人型の兵器だ。それを動かしているのはもちろん人間であり、他の何物でもない。
閃光の片割れは紅蓮の炎を纏った紅い一対の翼を広げ、片手には身の丈ほどの大きさの片刃にレーザーを宿した長剣を持っている。ボディは黒、白、そして赤の三色。頭部にはV字の角を持つ機体。ボディの各所からは、機体の熱を逃がすためか、或いはそれ以外の用途があるのか、耐熱用のフィンが飛び出ている。そのフェイスには目元から紅い線が引いてあり、まるで涙を流しているようだ。
それの動きに直結している黄金色のスフィアを操作しているのは、赤みがかった黒髪を逆立てた少年。その目はギラギラと金色に光っている。
目の少し下には何かで切ったような切傷があり、どこか荒々しい雰囲気を放っている。
もう一方の閃光は、金色の装甲を持った機体だ。神々しさよりも、荒々しさを纏っている。背中には全てを薙ぎはらう砲門が二つ覗いき、紅蓮の翼とは真逆の、飛行機のようなウィングは同等かそれ以上の速度を持っている。
その手にはビームライフルが右手に。
左手には双刀型のビームサーベルが握られており、それが紅蓮の刃とぶつかり合い火花を散らしている。
頭部には同じようなV字の角があるが、こちらはその間にもう2本の角がある。
それを操縦しているのは、仮面をつけたオールバックの黒髪に金のメッシュを入れた壮年の男性だ。その口元には、相対している少年とは真逆の余裕な笑みを浮かべているが、それもどこか引きつっているように見える。
「ガァァァァァ??」
紅い翼を持った機体、デスティニーガンダム・リベリオンを操る少年は、その眼を血走らせながら絶叫を上げ、レーザーブレード、アロンダイトを振りかぶる。
恐ろしいほどの速度で振り下ろされるビーム刃を金色の機体、アカツキ・天倫の双刀型のビームサーベルがその斬撃を防ぎ、激しいスパークが起こり、暗い宇宙空間を照らしていく。
神速と言っても差し支えないその攻防は、1秒間に5回以上が織り成され、普通の人間ではたどり着けない境地まで辿り着いているのである。
その攻防が10秒間ほど続き、先に逃げたのはアカツキ・天倫の方だった。
バックパックに搭載されていたスラスターにものを言わせ、一気にアロンダイトの届く範囲から離脱した。
「逃がすか????」
怒声をあげながら、少年はデスティニーガンダム・リベリオンの翼から紅蓮の炎を撒き散らしながら、アカツキ・天倫を追いかけていく。
それを待っていたというかのように、アカツキ・天倫は背中のビーム砲がリベリオンへと照準を
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