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我が剣は愛する者の為に
勘違い
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こっちから行くぞ。」

地面を蹴って距離を詰める。
首を狙った一撃を放つが趙雲はそれを槍で受け止める。
俺は続けて趙雲に何度も斬りかかる。

(くっ!
 重い!)

かなり力を入れて斬りかかっているので手には負担がきている筈だ。
強く唇を噛み締めているのが分かる。
刀と槍がぶつかり合い鍔迫り合いになる。

「貴様、これほどの腕を持ちながら何故賊の様な真似をする!!」

その言葉を聞いて思い出した。
俺は賊の振りをしているんだったな。
適当に理由を考えようとしたが、思い浮かばなかったので。

「俺に勝ったら教えてやるよ。」

「ほざけ!!」

そう言って押し返してくる。
膝を狙った足払いを繰り出してきた。
俺はそれを上に跳ぶ事でかわす。
俺が跳んだのを見て趙雲はニヤリ、と笑う。

「これで終わりだ!」

空中にいる俺は身動きができない。
それを狙ってわざと膝を狙う事で俺を宙に誘き寄せたのだろう。
趙雲の槍の一撃が俺を襲う。
俺は左手の刀で槍を受け止める。
一撃で仕留めきれるとは思っていないのか、槍を手元に戻して断続的に攻撃しようとする。
だが、俺は趙雲が槍を手元に戻すよりも早く右手で槍を掴んだ。

「なっ!?」

氣で腕を強化して、一気に趙雲を宙に引き上げる。
槍を手放さなかったのはさすがだが好都合だった。
そのまま右手で趙雲が槍を持っている手首を掴み、そのまま重力に任せるように地面に落ちて行く。
地面に叩きつけられた趙雲の首に刀の刃を当てる。
槍を持っている手は右手で固めているので動かせない。

「俺の勝ちだな。」

「何故だ。
 何故それほどの腕を持ちながら、どうして賊のような真似を。」

俺の強さを認めているからこそ俺が賊まがいをしている事を信じられないようだ。
ここら辺でネタバレとしますか。
俺は刀を引いて鞘に収めて立ち上がる。

「どういうつもりだ?」

俺の行動の意図が分からないのか槍を握りながら趙雲は聞いてくる。

「とりあえず、あんたの誤解から解く事にするか。」





「本当に済まぬ。」

ようやく趙雲が話を聞く状態になったのであれは誤解である事を教えると、深々と頭を下げる趙雲。
それを見て一刀は苦笑いを浮かべている。

「まぁ、誰にだって勘違いはあるんだし仕方がないよ。」

「そのせいで俺は殺されかけたけどな。」

「あの状況を作った縁が悪い。」

「それに関しては反省している。
 だから、あんたも顔を上げてくれ。」

俺がそう言うとゆっくりと顔を上げる。

「しかし、お主は強いな。
 この趙子龍、井の中の蛙である事を再確認した。
 まだまだ修行が必要だ。」

「いや、あん
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