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我が剣は愛する者の為に
勘違い
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付けている状況でどう勘違いするのだ!」

「「あっ。」」

俺と一刀が思わず声が出る。
確かにあの状況を見たら誰だって賊か何かに襲われていると勘違いするだろう。
悪ノリしすぎたな、と反省しながら誤解を解くために説得する。

「あれはそいつの修行をしていただけだ。
 そりゃあ、傍から見たら襲われているよう見えたと思うけどそれは誤解だ。」

「私が倒してきた賊も同じような言い訳をしてきた輩もいる。
 そんな見え透いた嘘を私が信じると思うか!」

「んじゃあ、その男に聞いてみろよ。」

俺の言葉では信じてくれなさそうなので一刀にバトンタッチする。

「勘違いさせたみたいだけど、本当にこの人は賊じゃないんだ。
 むしろ恩人・・・「貴様、この男を脅しているな!」・・・はえ?」

何だか話がややこしい事になってきた。

「脅されたかもしれないが、もう大丈夫だ。
 無理にあの賊を庇う必要はない。
 かなりの手練れのようだが私もそれなりに強い。
 さぁ、早くこの場から離れるんだ。」

「お願いしますから話を聞いてください。」

一刀はそう言うが全く耳に入っていない。
槍を両手で持ち、構えをとる。

「ばれちゃあしょうがない!
 その天の御使いの服でも剥ぎ取って売ろうと思ったが、あんたを殺して剥ぎ取ればいい!!」

「何か悪ノリし始めたよこの人!?」

このまま話をした所で全く聞きはしないだろう。
それにこの女性はかなりできる。
少し勝負してみたくなったのでわざと賊の振りをする。
話をこの女性を無力化しても遅くはない。

「正体を現したな。
 この趙子龍が貴様を成敗してくれる!!」

「「趙子龍だと!?」」

まさかこの女性があの五虎将の一人、趙雲だったなんてな。
どうりで強いわけだよ。
俄然やる気が出てきた。
一刀は彼女が趙雲であるという事実がかなり衝撃的だったのか、口をパクパクさせている。

「せいせいせいせい!!!」

素早い突きが四回連続で繰り出してくる。
俺はそれを刀で起動を逸らしていく。

「はぁっ!!」

腰を落とし強烈な突きが俺の胸に向かって繰り出される。
あの四回の突きを簡単にいなされたのを見て本気を出したのだろう。
さっきの突きとは段違いに早い。
だが、見切れない速さではない。
今度は受け止めず、逆に左足を前に一歩踏み込む。
それを軸にして一回転して趙雲の側面に回り込む。
回転の遠心力を利用して、趙雲の横腹に肘鉄を入れる。
手加減はしたがそれでも横に吹き飛び、地面に転がる。
だが、すぐに体勢を整えて槍を構える。

(この男、強い。)

趙雲は無闇に攻撃しても無駄だと分かったのか様子を窺っている。

「来ないなら
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