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我が剣は愛する者の為に
勘違い
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どうやらマジの様だ。
俺は軽くため息を吐いて、木刀を弾いて出来た隙に掌底を入れる。
手加減はしているがそれでも後ろに吹き飛び仰向けに倒れる。
だが、すぐに立ち上がって木刀を構え直す。

「ふむ。
 打たれ強くはなってきたな。」

「毎日誰かさんにボコボコにされているからな!!」

そう言って連続で斬りかかってくる。
全ての斬撃を受け止める。
この数か月の修行で少しはマシになったがまだまだ。
しかし、見込みはある。
このまま続ければ武人としてはいい線まで育つ。
あとは頭の方を鍛えないといけないな。
と、考えていると一刀が俺の足を払ってきた。

「おっ。」

珍しい展開だったのでわざと引っ掛かる。
足を払われた俺はバランスを崩し後ろに倒れていく。

「貰った!!」

初めて一本を取れると思ったのか既に笑顔になっている。
倒れそうになっている俺に木刀を打ち込みに来る。

「油断大敵だ。」

俺は木刀を投げ捨て、その逆の手を伸ばして一刀の腕を掴む。
後ろに倒れる筈だったが一刀の腕を掴む事で持ちこたえる。
さらに俺の方に力一杯に引っ張る。

「えっ!?」

氣で強化していないがそれでも力は俺の方が強い。
一刀の方もバランスを崩し前に倒れる。
引っ張った力を利用して、空いている手を一刀の肩に乗せてそのまま背中に回り込む。
一刀は地面にうつ伏せに倒れ、俺は上から押さえ込んでいる。
首筋には愛刀を抜いて刃を当てる。

「これでお前は死んだと同じだな。」

「ちくしょう。
 後ちょっとだったのに。」

「わざと受けたんだけどな。
 まぁ、それでも剣で攻めて不意に足を払うのは中々だったな。」

こんな会話をしているが上から押さえ込み、刀で首筋を当てている。
さすがにこんな状態で話をしたくはないのか一刀は言う。

「てか、そろそろどいてくれないか?
 さすがに刃を首に当てられている状態は嫌だぞ。」

「おっと、すまない。」

俺は一刀から離れようとした時だった。
後ろから一瞬殺気を感じた。
すぐさま刀を後ろに振る。
ガギン!!、と金属と金属がぶつかり合う音が鳴り響く。
そのまま一刀から離れ、後ろから奇襲をかけてきた人物を見る。
それは女性だった。
白を基調とした服に青い髪。
その手には槍が持たれている。

「後ろからの攻撃を防ぐとはただの賊ではないな。」

女性は俺に殺気をぶつけながら言う。
この殺気に構えを見た限りかなりの武人である事はすぐに分かった。
俺はいつでも対応出来るように構えながら気になった事を言う。

「賊だと?
 何か勘違いしているみたいだな。」

「何が勘違いだ。
 その男を後ろから押さえつけ、首元に剣を押し
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