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我が剣は愛する者の為に
勘違い
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天の御使いご一行は出来るだけ街などに寄りながら旅をしていた。
一刀が天の御使いであると言うのを広めるためだ。
街に行って一刀が何か芸をする訳ではない。
今、一刀が天の御使いである事を証明しているのは聖フランチェスカ学園の制服だ。
見た目からして完全にこの世界の服装とは一線を分けている。
街に入ると必然と一刀に注目が集まる。
そこで俺がこのお方が天の御使いだ!、と大きな声で宣伝する。
最初は信じられないような顔をした人には一刀が着ている服などを見せる。
さらには行商人などにも見せて、この生地は見た事のない素材で出来ている事を分からせる。
そこで天の知識などを披露して信憑性を高める。
車や電車の事など話しても意味ないので、俺達の世界で普通に作られていてかつこの世界ではあまり知られていない料理を作ったり、道具を作ったりと工夫している。
人の噂と言うのはすぐに広まる。
数か月くらい大陸を渡り宣伝をすると初めてきた街でも、すでに一刀の事を知っている人もいた。
だが、噂が広まるという事は良い事だけではない。
当然、一刀の持っている服などを奪おうと賊などが襲いにかかる頻度が上がった。
そこで俺の出番だ。
賊程度の実力など何人かかってきた所で相手にならない。
俺の名前も天の御使いを守る従者みたいな噂が広まっているのを知った時は何だか複雑だった。
今は街道を歩いている。
荷物はいつも通りに馬に乗せて一刀と俺は歩いている。
目指す場所は荊州南陽に向かっている。
孫堅達に会いに行くつもりだ。
少し卑怯だが、彼女達が天の御使いを噂を広めてくれればより確かなものとなる。
大きくなった雪蓮や冥琳に会いたいと言うのもあった。
一刀にはこの世界の有名な武将は女性になっている事は話してある。
それを聞いた一刀は半信半疑の様だ。
実物を見せてそれが本当である事を分からせるためもある。
太陽を見るとちょうど真上。
お昼時だ。

「よし、少し休憩にするか。」

「了解。」

馬を止めて載せてある荷物から麦などを練り合わせたパンのような物を取り出して食べる。
森だったら山菜などを採れたのだが、荒野ならそれも出来ない。
なので、前の街で買って置いた食べ物で軽く済ませる。
最後に梨を一刀に投げ渡す。

「それ食ったら修行するぞ。」

「うい〜っす。」

梨を食べながら答える。
その間に木刀を二本取り出し準備運動などをする。
食べ終わった一刀に木刀を渡す。
木刀を受け取り服を着替えて準備完了だ。
ある程度距離をとってから始めようと思っていた時、いきなり一刀が打ち込んでくる。
それを慌てる事なく冷静に受け止める。

「あれで不意打ちのつもりじゃないだろうな?」

「うっ。」

言葉を詰まらせる一刀。

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