暁 〜小説投稿サイト〜
ラブライブ Novels of every season
触れ合うほどの距離で
[4/4]
[9]
前
最初
」
「ぐすっ……うん」
「ふふ、それじゃあ中に入れてもらっていいかしら?このままでも十分温かいんだけど、ここじゃあ……ね?」
「ふわぁ!ご、ごめんね。ど、どうぞ……」
「うふ、お邪魔します」
カチッコチッと、時計の針の音が聞こえる。
さっきまでの事を思い出してしまい、希は顔を真っ赤にしてベッドへ潜った。
ちょこんと布団から顔をだし、隣を見る。
規則正しい寝息が、耳に心地いい。
「ん、んん……」
「あ、ゴメンな……起こしてしもたな」
綺麗な青い瞳が、虚ろながらにもこちらを見ている。
にっこり笑顔を向けると、まるで花が咲いたようにそれに応えてくれた。
「……ううん、いいのよ」
「ふふ」
「どうしたの?」
「ううん。ウチ、今すっごい幸せやなぁと思って」
「あら、奇遇ね。私もよ」
「ふふ、お揃いやね」
少し冷えてしまったお互いの指が重なり合う。
それだけで熱を戻すのだから、人の身体というものは不思議なものだなと実感する。
「ねぇ、希」
「なぁに、えりち?」
「さっきの言葉、もう一回聞かせて?」
「さっきのって?」
「さっき部屋に入る前に私に言ってくれた言葉よ」
「うぅ、恥ずかしいぃよぉ」
「あら、私ばっかりじゃ不公平じゃない。認められないわぁ」
「もぅ、えりちの意地悪ぅ」
「ねぇ……お願い」
「わ、わかったよぉ」
恥ずかしそうにしながらも、希は絵里の方へ身体を寄せる。
お互いの唇が触れ合うほどの距離で、そっと耳元へと近づく。
不思議な気持ちだと思った。
まるで、空から降ってきた粉雪のように、優しく、柔らかく、ゆっくりと積もっていく。
多分、初めて出会った時から、こういう予感があったのかも知れない。
ねぇ、えりち。もしも貴女が困った時があったら、ウチに教えてほしいな?
すぐに会いに行くから、ぎゅって抱きしめてあげるよ。
どこにいても、どこでも。
あんな、えりち……ウチえりちの事が……
[9]
前
最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ