暁 〜小説投稿サイト〜
ラブライブ Novels of every season
触れ合うほどの距離で
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時間が過ぎ、閉じ込めた正直な気持ち。
どこにも行かないでと言えたら、彼女は微笑んでくれたのだろうか。
「ふぅ……お風呂入ろうっと」
携帯をベッドに放り投げ、部屋を出ようとした時に着信音が鳴る。
誰だろう?
確か穂乃果からは、幼馴染三人でクリスマスパーティーをしているというlineが来ていた。
もしかしたらお誘いの電話だろうか?希は少しだけ胸を弾ませながら、着信の相手を確認する。
画面に表示された名前を見た瞬間、彼女の心臓は一気に跳ね上がった。
「え、な……なんで」
画面には、「えりち」と表示されていた。
一体何を話せばいいんだろう。そもそも、なぜこんなにも自分は緊張しているんだろう。
ぐるぐると思考が回る中、希は恐る恐る通話のボタンを押す。
「も、もしもし?」
『もしもし、希?今大丈夫かしら』
「うん、どないしたん、えりち」
頬が緩むのが自分でもわかる。
さっきまで不安だった心が、寂しさで震えていた身体が、彼女の声を聞くだけでほぐされていく。
ああ、そうか。自分はこんなにも彼女の事を……
『えっとね、特に用はないんだけど……どうしてるか気になってね』
「ふふ、なんなんそれ?今日は折角のクリスマスイブなのに、彼氏とデートとかやないのん?」
チクリと胸が痛む。
本心なんかじゃない。でも、この気持ちを打ち明けたら、きっとあの子は困ってしまうだろう。
あの子は優しい子だから。
ちょっとした冗談のつもりで言った言葉だったが、彼女から返ってきた返事は意外なものだった。
『彼氏なんていらないわ』
キッパリと、力強く、そして真っ向から突き放すような言い方に、希は思わず萎縮してしまう。
グッと目頭が熱くなるのを堪えた。しまった、怒らせてしまったかなと謝罪の言葉を探していたが、希が次の言葉を話す前に、続けて絵里が口を開く。
『クリスマスぐらい、好きな人の声ぐらい聞きたいじゃない?』
「え?な、なん
『ねぇ、今家よね?』
「う、うん。せやけど」
『ふふ、良かったわ』
さっきまでとは違う、優しい声。
彼女の大好きな、柔らかな声色が鼓膜を震わせる。
インターホンが鳴った。
携帯を持ったまま、ただ茫然と扉の方へ向かう。
ドアチェーンを外し、カチャリと鍵を開け、扉のドアノブに手をかける。
心臓がさっきよりも、ドキドキと音を立てている。
希は一つ深呼吸ををして、扉を開けた。
「メリークリスマス、希」
気が付いたら、希は絵里に抱き付いていた。
泣きながら、何度も何度も彼女の名前を呼ぶ。
絵里は希の髪を優しくなでながら、頬を伝う綺麗な滴を指で拭う。
「落ち着いた?
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