新婚編 (番外編)
メリクリ編
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言ってしまう辺り流石自分の夫である、そしてその言葉に一切の偽りは無い。ジョークなど一切混ざっていない本音だという事に思わず赤面してしまう。
「お世辞とか抜きで言えちゃうジーくんは本当に凄いよ」
「君にそういう冗談は無粋だろう?愛しい君にはね♪」
「もう♪それじゃあ乾杯しようか」
「そうだな」
互いのグラスに酒を注ぎ乾杯をする、グラス同士がぶつかり小気味良い音が耳に付く。口に酒は非常に美味ですっと喉を通り過ぎていく。
「こうして君と酒を飲むのは久しぶりだな」
「普段はディアナが乱入してくるからね〜……今日は大丈夫よね………?」
毎回毎回乱入してくる姉のディアナを警戒する余り箒を握り締めいつでも攻撃できるようにしつつ家の周囲の気配を探る妻に思わず苦笑いしてしまう。まあ確かに自分と二人っきりとなれていた時間を悉く潰されているわけだから警戒するのも解らなくないのだが。
「大丈夫だよ。俺の仕事が終わった時にはまだ仕事中だったしな、それに今日ぐらいは自重するって言ってたしな」
「う〜ん………それだけ信用はしないけどジーくんが其処まで言うなら信用するね」
夫の言葉を信用し箒を収めるドロシー。そんな彼女を見つつ料理に手を付ける。
「………うん美味い。上達したじゃないかドロシー」
「そりゃ愛する旦那様の為に頑張って練習したからね♪でも個人的にはまだ満足出来る出来じゃないのよね〜」
「何?何処が満足出来ていないんだ?非常に美味なのだが……」
ドロシーの料理は申し分無いほどに美味い。一流の料理店で味わえる料理ほどに美味であるのに作った彼女自身はこの料理に満足などしていなかった、個人的には大満足できるレベルなのだが一体何処に不満があるというのだろうか。
「前にジーくんが作ってくれた料理と何かが違うのよォ!!あの料理の味と食感とか全部覚えてるの私!でも何かが違うの!私が目指したのは貴方の料理なのに如何して違うの!?」
思わずがくっと椅子から落ちそうになる。確かに以前は自分がこんな料理を作ったことがあった、成程自分の料理を基準にしていたのか。ならば違いは簡単だ、経験である。自分は今までずっと料理を続けてきた。年単位で彼女が料理を本格的に始めるまえにから経験を積んでいる、そんな彼女は料理を始めてまだ1年と少ししか経っていない。そんな彼女が自分の領域に踏み込んでいたのであれば寧ろショックを受けてしまう。
「まだまだ修行が足りない。という事かな?経験を積めば何れ俺と同じ料理が作れるようになるさ」
「そうかなぁ〜?愛情とか一杯一杯込めて作ったのに……」
「ふふふっそれは解っているさ、口に含み身体に入れる度君の愛情を感じるよ」
「あん改めてそう言われちゃうと照れちゃうワン♪」
思う存分に彼女の料理を味わっ
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