アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの共闘を 02
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ーティーンなのだろうと当たりをつけたアスナは、これから起こる全てを見逃さないように目を凝らす。
やがてカウントダウンは終わりに近づき……
DUEL??と宙空に文字が瞬いた瞬間……
フォラスが視界から掻き消えた。
「え……」
驚愕の声を漏らしたアスナだったが、何も驚いたのはアスナだけではない。
フォラスの正面で両手剣を構え、デュエルの開始と同時にソードスキルを発動しようとしていたクラディールの顔にありありと驚愕の色が浮かぶ。 しかし、発動しようとしていたソードスキルはシステムが律儀にプレモーションを認識し、使用者の驚愕など構うことなくオレンジ色のライトエフェクトを両手剣に灯した。
だが、それが発動することはなかった。
ドンッと言う鈍い打撃音が辺りに響き、クラディールがその場から横に吹き飛ぶ。
そして、その瞬間に、あたかもずっとそこにいたかの風情でフォラスの姿が現れた。
宙に浮き、仄かに赤いライトエフェクトの残滓を煌めかせたフォラス。
小柄なフォラスがクラディールの側頭部を攻撃するために跳び上がったのだろう。 使われたのは体術スキルの基本技、『閃打』。 同じく体術スキルを習得しているアスナも良く知っているそれは、拳を打ち出すだけの単発技で、威力は武器を用いたソードスキルに比べれば相当に低い。 ガントレットを装備した左腕での攻撃なので素手よりは威力があるものの、大したダメージにはなっていない。 だが、それでもソードスキルなので、デュエルを終わらせるには十分な一撃だ。
フォラスが着地すると同時に勝者を告げる表示とファンファーレが周囲の喧騒を塗り潰した。
「なにが……」
起こったの? そう続けたかった言葉が続かない。
アスナはフォラスから目を離さなかった。 加えて、デュエルで任された時よりも強くなっていると自負している。 それは、レベルやステータスに限らず、アスナ自身の戦闘技術も。
だと言うのに見えなかった。
移動も、跳躍も、攻撃も、何もかもが見えなかった。
アスナが、そして1人の例外を除いて、ここにいる全員、フォラスの姿を完全に見失っていた。
「ねえ、キリト君」
「見えなかった……」
「え……」
「何も見えなかった……。 アスナのレイピアでも剣の軌跡が見えるのに、あいつのは何も見えなかった。 閃打のライトエフェクトも、あいつ自身も……」
ソードスキルのライトエフェクトすらも見落とすなんてありえない。 隠蔽スキルを発動していようと、キリトクラスの索敵スキルがあればさすがにソードスキルを使った時点で看破できただろう。 それすらも出来なかったと言うことは、あれは隠蔽スキルによるものではなく、もっと他のスキルによるものか、あるいは…
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