暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1188話
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やろうとしていたからな。
 別に俺が不真面目だったって訳じゃないが。
 あの当時は記憶を失っていた影響もあり、俺も聖杯戦争を真剣にやっていた。
 最初から記憶が戻っていれば、色々と裏技も使えたんだが。
 ゲートやらマーカーやらニーズヘッグのシステムXNが使えれば、更にもっと凄い事になっていた筈だ。
 ……上手くいけば、今夜でこの冬木で行われている聖杯戦争という儀式そのものが消滅する。
 そうなると、俺もどうするかをそろそろ考えないとな。
 ホワイトスターに戻る方法も探さないといけないが、凜と一緒に行動するのがベストだろう。
 いや、そういうのがなくても凜と一緒に行動するのに否はないけど。
 ただ、そうなると綾子をどうするかが問題となる。
 半サーヴァントと化した綾子は、普通の生活に戻れるのか。戻れるとしても、力の加減とかそういうのをきちんと出来るようにならないといけないだろうし、何よりも凜は多分聖杯戦争が終わって高校を卒業すれば魔術協会の総本山でもある時計塔に留学する筈だ。
 そうなると、綾子と離れて暮らす事になる。
 魔力の問題とか、他の魔術師に狙われないかとか、そういう件を何とかしないといけない。
 取りあえずアサシンの物干し竿は綾子に渡すとして……

「アーク、急にどうしたんだ? いきなり考えこんで」
「ああ、いや。何でもない。ちょっとこれからの事を考えていてな」

 衛宮に対し、そう言葉を返す。

「これから?」
「そうだ。このパターンだと、もしかして衛宮の家に戻ったら言峰がいたりするかもしれないと思ったんだよ」
「おいっ、そんなの嫌だぞ!」

 衛宮の言葉に、俺以外の全員が頷く。
 ……そうか? ここで言峰が出て来てくれれば、大聖杯を破壊するのにいらない障害はなくなるから便利だと思うんだけどな。
 そんな風に考えながら、俺達はすき焼きの材料を買い集めて行く。





 尚、家に戻る時は若干恐る恐るだったが、言峰の姿はどこにも存在しなかった。
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