Fate/stay night
1188話
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けど、俺は元々食うという行為が好きだ。俺が食いたいから食う。それだけで十分だろう」
「なっ!?」
元々俺は混沌精霊であって、サーヴァントでなくても食事の類は必要のない身体だ。
勿論食事をすれば、腹の中に入ったものが即座に分解されて魔力に変換されて吸収される。
「つまり、そういう訳だ。俺は魔力の為じゃなく、自分で満足する為に食事をしているだけだ」
「……そんな……」
何故か打ちひしがれるセイバー。
うん、セイバー的には隠している事を、堂々と宣言する俺に打ちひしがれた的な感じだったのだろう。
そうして、居間の中に広がるのは沈黙……
微妙に居心地が悪い雰囲気になったが、ちょうどそれを破るように足音が聞こえてきた。
「ごめん、待たせたか。……セイバー?」
イリヤ達を引き連れてやって来てた衛宮は、居間の中で打ちひしがれた様子のセイバーに首を傾げるのだった。
「じゃあ、白菜を1つに、長ネギ、春菊、椎茸、エリンギ、エノキをそれぞれ2……いや、3パックずつ」
「あいよ、いつもありがとさん。このリンゴはおまけだ。持っていきな」
商店街の八百屋で買い物を済ませた衛宮は、店主から貰った野菜の詰まったビニール袋を受け取る。
おまけとして貰ったリンゴは、見るからに美味そうだった。
「衛宮君の場合、スーパーで買うんじゃないのね」
「うん? ああ、勿論スーパーにも寄るけど、こういう店だとおまけして貰えるし。それに、いつも使ってるからな」
「くーっ、嬉しい事を言ってくれるな。ほら、ついでだ。これも持ってけ!」
ミカンを5個入った袋を渡す店主。
サービスし過ぎじゃないか?
そう思ったものの、別にこっちに損になるような話じゃないし、これも日頃の衛宮の行いのおかげだろうって事で、何も言わずに次の店へと向かう。
「そう言えば、思い出すな。この前凜や綾子と一緒に買い物に行った時、家に戻ったらランサーがいたんだよな」
「……それは一体、どういう状況なのでしょうか。待ち伏せを?」
不思議そうに尋ねるセイバーに、凜が溜息を吐きながら首を横に振る。
「そんなんじゃないわよ。ベーコンを持ってきて、一緒に食事をしようって言ってきたの」
「……は? その、ランサーを倒したのはアークエネミーなのですよね?」
「いや、倒したのは2人目のアサシンだな」
「……は?」
数秒前と同じように、意味が分からないと、微妙に間の抜けた声を出す。
「普通はそうだろうな。ただ、ランサーとしては殺し合う相手と食事をするってのはそんなにおかしな出来事じゃなかったみたいだぞ?」
「それは変よ」
思わずといった様子で突っ込むイリヤ。
まぁ、イリヤの場合は聖杯戦争を真面目に
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