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RSリベリオン・セイヴァ―
第十五話「その憧れは、歪みとなる」前編
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早朝、目覚ましのアラームが鳴って唸りながら俺は起きた。すると、隣のベッドで弥生が寝ていることに気付く。
――昨日から同室になったんだよな?
今思えばありえない事実だ。そもそも、男女が同室とはこのIS学園であっていいものだろうか?
まぁ、幾ら男とはいえ生徒を外で寝かせるような非人権的なことはさせやしないだろう……
「あ、おはようございます。よく眠れましたか?」
そう、ベッドから弥生が起き上がった。白い着物の寝巻を着て、俺に挨拶する。しかし、彼女の着物越しの胸元がヤバく、俺はついそちらの方に目がいってしまう。
「あ、おはおう……」
と、胸を見ながら俺は棒読みで答えた。
「狼君、私先に外に居ますから着替え終わったら教えてくださいね?」
そう彼女は寝巻のまま部屋を出ようとしたが、俺は慌てて止める。
「あ、いいよ! 俺が先に外で待ってるからゆっくり着替えなって?」
「え、でも……」
「大丈夫だよ? 逆に、君が先に外へ出たら、他の生徒達に見られて変に思われるよ」
そう、ここは女尊男卑の塊。先に弥生を外へ放り出したりでもすれば、それを見た女子たちはどう言葉にして言うか……
「そうでしたね? では……御先に失礼します」
「うん、終わったら声をかけて?」
俺は、そのまま部屋から出た。長い廊下でしばらく立ち続けていると、少女たちの挨拶を交わす声と共に部屋から次々と生徒達が出てきた。
次々に彼女たちは朝食をとるため学食へ向かう。もたもたしていたり、寝坊したりすると、千冬が押しかけてきたり、叩き起こしに来たりする。
「おまたせしました」
しかし、弥生が着替え終わるのはそう長くはかからなかった。すぐにも、彼女は俺と入れ替わってくれて、俺も早く制服に着替える。
「俺、次からはトイレとかで着替えるよ?」
「そんな……御気を使わなくてもいいんですよ? 私が、トイレかシャワールームに入って着替えますから」
「じゃあ、俺がトイレで着替えるから、弥生ちゃんはシャワールームに入って着替えなよ? その方がトイレよりも広いし、曇りガラスで外からは見えないから……あ、でもやっぱ恥ずかしいよね……? なら、俺がシャワールームで着替えようか?」
と、いろいろと自分を優先して話を進めてくれる彼に、弥生は頬を赤くし微笑んだ。
「じゃあ……シャワールームでいいです」
「そう? じゃあ次からはそうしようか?」
会話を進めていくうちに、俺は次第に弥生と話すことに慣れてきた。
学食でも、俺は気付く範囲で弥生を優先し、また彼女もお返しに譲ってくれたりと、お互いを譲り合う姿は、まさに男女平等の証に見えた。最も、その光景を見て、IS学園の生徒達は怪訝な目で見たり、しかし仲間の一夏達は微笑んだりと、評価は左右に分かれるが。
「あ、狼君あっちに座りましょう?」
「ああ、そ
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