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Sword Art Online-The:World
#01 英雄達
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ある。
その真実を知るのはこの場にいる者と、当時の事件の根幹にかかわった数十名、そしてその全てを把握するCC社のみだった。細かい話は出来ないが、最終的にそれらの事件は海斗と亮の二人によって解決された、とだけ言っておく。
そして今回はフルダイブのシステムを採用したVRMMORPG。
ならば、意識を丸ごとゲームの中に停滞させるこのシステムは、未帰還者のような被害を生み出さない事はない、とは言い切れない。むしろ、彼らが真っ先に考慮したのはサイバーテロやウイルスではなく、そちらなのだ。
「ありえなくはない、わね。なにせ意識が全てゲームの中へ持っていかれるんですもの、簡単に言うなら軽度の未帰還者状態のソレに近いわ。故に、私達が選ばれたんでしょうね。――違いますか、室長?」
「否定はできない。当時のCC社の機密が、何らかの方法で漏洩していた可能性も無くはない。だがそうだとしても、私は“未帰還者”という言葉を聞いてそれを放置するなど、とても出来んのだ。少なくとも、君達もそうだろう?」
無言の応答。全員が頷くとともに、その総意は確認できた。
そして思った。自分たちは、思う以上に“あの世界で”繋がっていたんだと。あの頃から数年経った今でも、あの頃の出来事は自分達を繋げてくれているんだと。
そしてその出来事が今もなお、この世界を蝕んでいるというのなら――――
「我々は今再び、かつての『.hackers』として、かつての碑文使いとして、世界を救いたいと思う」
「……世界、ってのは大袈裟だけど」
「まぁ、今も昔もやる事は変わらない、って事よね」
「俺達は、俺達に出来る事をやるだけだろ。何かを失っても取り戻すんだ、あの時のように、全てを」
「僕は、そんな大仰な事は言えないけど……でも、救いたいって気持ちはある。僕らには、それが出来ると思う」
香住がディスプレイの電源を切ると、部屋は暗闇に包まれた。
同時に佐伯が部屋の光を遮るカーテンを払い除けると、暗闇の部屋に莫大な光が降り注ぐ。誰もが眩しさに目を細め、ふと時計を見れば時刻は午前十時半。さて、という佐伯の言葉で空気が一転したと思うと、彼女は鞄から新たな資料を取り出した。まるで広辞苑のような分厚い書類、それを海斗と亮、二人の席にドンッ!と置いた。
「「…………なに?」」
「今回の件での、管理者として確認してほしい事項、その一覧。P,25からP,60までは必須だから、暗記しといてね。プレイヤー勧告の時も、その文面通りのセリフ呼んでもらうから。あ、あとP,250の項目は法的処置の事だから全部暗記とは言わないけど、必要最低限には覚えといてね」
「(よかったぁ〜、俺今回外れといて。あんなの今から覚えるとか発狂モノすぎんだろ……流石は令子さん)」
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