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Sword Art Online-The:World
#01 英雄達
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を救い、守りたかった。それだけが、彼らの理由なのだ。
そんな彼らに共感し、何人ものプレイヤーが彼らに手を貸した。時に共に最前線に太立ち、敵を討った。時に現実に向き合い、事実と戦った。どれもありきたりだが、そうして最後に、彼らは笑顔で勝ち、去ったのだった。
海斗はその先達。そして、亮はその後輩に当たる。両者を知る火野の計らいで対面する事となり、大学卒業後の当時の二人を、就職先として自身の会社を提供したのも火野だ。彼らにはそういった方面が向いているのだと、それとなく察していたんだろう。事実、それは功を奏し、『.hackers』の業績の二割は、彼ら二人によるところが多い。

「……まぁそうなんスけど、どうもそっちで呼ぶ方がしっくり来るっていうか。本人らも、仲間内で呼ぶならそれでいいっていうから、ユーザー(そっち)で呼んでるんスよ。」俺もそう呼ばれてるし」

「なんていうか、みんな若いね。僕も、か」

談笑を経て、二人は席を立った。勘定を済ませ、徒歩で向かうは自分達の秘密基地。
さて、今回は何カ月の労働になる事やら。前回の大手MMORPGのバグ調査や試験テストでは、二ヶ月ぶっ通しで調査をしていた。ユーザー側として調査するには、色々と大変な面が多い。そして、多数の可能性を虱潰しに模索していくことも重要。それが、『ゲーム部門』の担当である、二人の業務なのだ。





      ×      ×







「よぉ。ずいぶんな大御所出勤じゃないか、二人とも」

『.hackers』本社二階、『ゲーム部門』対策室。内装は、一般的な株式会社の一室とさして変わりはない。
長方形の部屋、左方に並べられた業務机とは別に、右の壁際に十数台のPCが並列している。違う点はそのデスクトップ画面に、何十ものMMOゲームのアイコンが表示されている事だ。なにせ担当がゲーム部門なので、扱う者のほとんどがゲーム関連なのは得てして仕方のない事ではある。
そんなPC側の一席に、茶髪の男性が椅子を逆向きに座っている。見るからに尻軽そうなこの男は、この『ゲーム部門』の一員であり、デスクワーク・実働・営業を兼ねるマルチマン。
名を香住(かすみ)智成(ともなり)という。香住は何とも軽薄な笑顔でヒラヒラを手を振る。

「おはよう、香住くん」

「おはよーさん。んでぇ、俺の大・親友の亮君は超・親友の俺に挨拶もないのかなぁ〜?」

「……ょぅ」

「え? なに? 聞こえないんだけどー?」

「ぉ、おはよーさん!」

「ぷっ……ははっ、相変わらず照れ屋だなぁお前は。もう少し対人の免疫つけた方がいいんじゃね? 俺みたいに」

「お前は単に女好きなだけだろーが……ったく。別に人が苦手な訳じゃねーよ。その、何話したらいいか分からねーだ
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