妖精 対 虎 対 人魚 対 蛇姫
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離れたこの場所では、彼女たちの熱戦に負けないほどの戦いが繰り広げられようとしていた。
「フッ。お嬢の奴、ずいぶんと卑劣な行為をしてくれるぜ」
グラシアンは近くにセッティングされている魔水晶ビジョンから聞こえてきた音声を聞き、自分のギルドの魔導士の戦い方を見てそう呟いた。
「カグラさん・・・ミリアーナさん・・・」
ソフィアはその映像を見てしばらく固まったかと思うと、顔をうつ向かせて表情を歪める。
「これは勝負の世界。ああいうやり方もありだとは思う。だけど・・・」
ソフィアはグラシアンの方を向く。その顔は先程のエルザと同等レベルの怒りを感じさせるものだった。
「ソフィアはあんたたちを許さない!!」
その言葉が出たかと思った刹那、ソフィアがシリルとレオンの視界から消えた。
「「「はっ?」」」
いきなりのことに状況を飲み込めなくなる3人。消えたと思われたソフィアはなんと、グラシアンの真っ正面にいつの間にか来ていたのだった。
「死ねぇぇぇぇ!!」
「ぐはっ!!」
目にも止まらぬ速度で放たれた拳はグラシアンの腹部を捉え、近くの建物へと叩きつける。
「消え失せろぉぉ!!」
ソフィアがもう一度彼に接近しようと走り出す。しかし、グラシアンが叩きつけられた場所から何かが光り、
「うっ!!」
目の前に来ていたソフィアの脇腹を切り裂く。
「ぐはっ!!」
「うおっ!!」
ソフィアに攻撃を加えた何かはあまりのソフィアの人の変わりように呆然としていたレオンとシリルにも同じように攻撃を加える。
「飛翔・音速の爪!!」
その何かとはエルザに変身したグラシアンだった。
「こいつ・・・エルザさんにもなれるのか」
シリルは攻撃を受けた右脇腹を左手で押さえながら自分の仲間に変身したグラシアンを見据える。
「アイスメイク・・・・・」
「!!」
そんなシリルは背後から冷気を感じ、急いで体を横へと移動させる。
「スノーライオン!!」
シリルが元いた場所を通過していく氷のライオン。彼を狙ったはずの攻撃は余裕で交わされてしまい、彼が見据えていたエルザに容易く破壊されてしまう。
「ありゃ。てっきりグラシアンさんに意識行ってるからいけると思ったのに」
シリルの方を向きながらそう言うレオン。だが彼は一切悔しがる様子はなく、平然としているようであった。
「やってくれたな!!水竜の・・・」
シリルは頬を膨らまし、レオンに向かって魔法を放つ。
「咆哮!!」
口から出された水はレオンに真っ直ぐに向かって伸びていく。しかし、冷静にその咆哮の軌道を見切ってなのか、頭を抱えてしゃがむと
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