妖精 対 虎 対 人魚 対 蛇姫
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シリルが4人での混戦に入ろうとしていた頃、ミネルバの策略によってカグラとの一騎討ちになっていたエルザの戦いは、幕を閉じようとしていた。
「心の整理がまだつかない・・・しかし・・・」
カグラは自分を守ろうとして巨大な岩に足を下敷きにされたエルザの上にある岩を退かす。
カグラは数年前、ゼレフを盲信する教団が彼の復活を行うために作り出そうとしたRシステムを完成させるために各地で行われた子供狩りで逃げ延びた者だった。
しかし、その際に自分の兄と自分を逃がそうとした少女が捕まってしまった。その少女とは今戦いを繰り広げていたエルザだったのだ。そして彼女の兄とは楽園の塔でエルザをその身を呈して守ったシモンという男。カグラはシモンの自由を奪い、さらには殺したジェラールに復讐するために自らの持つ刀“不倶戴天”を鞘に納め封印していた。
だが、そのジェラールを庇うエルザの言葉に我を見失い、その刀を抜いた。エルザはカグラに罪の意識は感じていたが、自分を守るために亡くなっていったたくさんの人の想いを踏みにじるということはできず、不倶戴天を抜刀し、本気となったカグラに向かい合い、見事打ち勝ったのだった。
「この勝負は私の負―――」
グサッ
エルザの強い意思と実力に降参しようとしたカグラ。そんな彼女の体を後ろから・・・それも、彼女の武器である不倶戴天で一刺しする女が現れた。
女は自らが持つ刀をカグラの腹部から引き抜くと、支える力を失ったカグラはふらつき、重力に従い地面へと倒される。
「勝者はエルザ。しかし得点は妾のもの」
カグラを貫いたのは、2人の関係の深いミリアーナを人質に取り、彼女たちに一騎討ちをするように強要した剣咬の虎の魔導士、ミネルバ。
『カグラを倒したのはミネルバ!!剣咬の虎に得点が加算されます!!』
人魚の踵のリーダーを倒したため、5ポイントが追加される剣咬の虎。これによりトータル56ポイントとなり、妖精の尻尾を抜き去り単独首位となる。
ミネルバは用済みとなった刀を投げ捨てると、足を痛めたせいで立ち上がることのできないエルザを見下ろす。
「言ったであろう?王者の戦いを見せてやると。王者はうまいものしか喰わぬ。人魚の頭、羽根をもがれた妖精、とかな。アハハハハハ!!」
「貴様・・・」
あまりの非道な戦法、さらには致命傷となりかねない攻撃行為を行ったミネルバに対しエルザが怒りを露にする。
「次はそなただエルザ。しかしそのケガでは勝負は見えておるが」
「っ・・・」
エルザはカグラとの激戦、さらには彼女の頭上に落ちてきた瓦礫から彼女を守ろうとした際に足を負傷してしまったため、かなりの不
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