3話 葛藤する殺人鬼(マーダラー)
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、こんな感じで接してくれていたのかなと思って」
「その息子は誰に殺された?」
クロノスは考えなしに聞く。
「いじめです。お金がないことをネタにされ、学校でいじめにあい、自殺を図りました」
彼は苦い顔をした。
「わかった。そいつらを殺せばいいんだな?」
「いえ。息子をいじめた子供たちはもうとっくに亡くなっています」
彼はその複雑な事情にこれ以上首を突っ込もうとしなかった。きっと、この女が殺し屋を雇って殺したのだと確信できたからだ。
「このお金で。私を殺してください」
彼女はそう言うと、クロノスは眉1つ動かさず答える。
「わかった。でも俺を恨むなよ。俺は殺せと言われて金払いが良ければすぐにやるから」
「はい。良いです」
「心残りは無いんだな?」
彼女は体にまとっている服を脱ぐ。
「その前に、楽しみます?」
「いらない」
クロノスは先ほど盗んだトカレフを女の眉間に撃つ。即死なので、苦しみがない。
彼はそれを選んだ。
僕の右手は名も知らぬ兵士に引きずられている。足には殺したはずの飼い主が。締め付ける感覚が報いのようにつきまとう。これが僕の罪だと気付かされた時、僕は目を覚ました。
「ゆ、夢?」
リーナは僕の右手をがっちり掴んでいた。
「あら?もう起きたんですか?」
「ああ。起きるよ。今日も又特訓だ」
「頑張ってください」
僕は笑いながら答える。
「君もだよ」
作戦実行は来月。大統領、シャルラッハート・ワシントンを殺すために、僕らは血眼になって鍛えている。
そう言えば、アーシャは最後の大きな作戦の前に入隊したんだよな。彼女は確かいいところのでだったはず。出身はロシアで、両親の死を切欠に奴隷になった。両親が死んだ原因はどうやらシャルラッハート・ワシントンに逆らったからだろ本人は言っていた。
今から1年前。人手と銃火器がいつも通り足りない第三部隊カラーズ。僕らは先日正規軍を撃退した時の戦利品を回収して、換金し、武器を買った。
「これだけみたいだな」
サジはダンボールいっぱいの榴弾を台車に乗せて第三部隊拠点に持っていく。僕はM16を4丁背負い、運んでいる。するとそこにミレーナがトラックを持ち、待ち構えていた。
「こんだけか。まあいいや乗せな」
ミレーナは運転が出来ることを僕はその時初めて知った。
荷物を載せ、僕ら2人はトラックに乗り込む。僕が前でサジが後ろ。じゃんけんで決めた。
「なあ。カリヒ」
ミレーナはトーンを落とし、運転しながら横目で僕に問いかけた。
「どうしたの?酒の交渉?僕は上げないよ」
「違うよ。今日から新しく又女の子が戦場に来るらしい。全く。女子供を戦わせる最悪な世の中だよ」
ミレーナは歯ぎしりを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ