3話 葛藤する殺人鬼(マーダラー)
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とがないので、このような古臭い髪型をしているのだ。
サブマシンガン、スコーピオンをスーツケースに入れ、ヤミ金が必要な出稼ぎの外国人を演じて、安全に事務所の待合室に入る。
「家族を母国に残したまま、日本に来ました。先日空き巣に入られ、生活が苦しくなってしまいました」
彼は唐突に思いついた言葉をべらべら並べる。すると女性は、
「どうして此処を選ばれたのですか?」
と、露骨にも疑いを掛ける質問をした。
それを見ぬいたクロノスは、
「此処に暮れば手っ取り早くお金が借りられると、駅のホームで立ち聞きをしましたので」
と、いかにも作り話のように言葉を出す。わざとらしくした態度を見ながらも女性は軽く微笑みを見せ、クロノスに聞く。
「いくらお借りしますか?」
クロノスは考えていなかった答えに一瞬戸惑うも、すぐに嘘が思い至った。
「えっと。すみません。電卓を貸していただけませんか?」
すると女性は机にゆっくりと歩き電卓を取る。クロノスは電卓と一緒に拳銃を内ポケットに入れたのを把握した。
「はい。どうぞ」
女性は電卓を渡す。クロノスは電卓を仕向ける女性の左手首を掴み、そのまま投げ飛ばす。女性は急いで胸ポケットに手を伸ばし拳銃を取り出す。彼はその拳銃を持った右手を踏みつける。
そしてスーツケースを片手で開け、左手でスコーピオンの安全装置を解除して、眉間に撃ちぬく。
銃声を聞いた事務所を取り締まったいる男たちは一斉に出てきた。
クロノスは男たちが出てきた瞬間に銃を乱射し殺害した。
その後クロノスは中に行き、未だ人が居ないかを確認した。
「誰も居ないか」
金庫や、引き出しから大量に金を取り出し、かばんに詰め込む。そして薬莢を掃除し、死体を綺麗にまとめた。
これには3つの意味がある。
1つ目はただ単純にお金が欲しかった。
2つ目はこれを強盗殺人と思わせるため。
3つ目はこれを暴力団の構想に見せるため。
彼は暴力団の耳をすべて持ち帰り、女性に見せる。すると女性はさっきより多い、6千万円を入れた段ボール箱を渡す。
「追加料金は必要ない」
クロノスは女性に向けて冷たい態度を取る。女性はにっこり笑って言った。
「いえ。まだ依頼をしたくて用意したものです。先ほどヤミ金から借りてきました」
彼女は懲りないなと、クロノスは思いながら金を受け取ろうとしなかった。
「さっきの金でやってやるよ。誰を殺すんだ?」
「いえ。20万円じゃ絶対足りないことは知っています。ですから貰ってください」
「いや。6千万以上こっちはもらっているから」
彼には律儀な所が在る。それは自覚していなが、女性はそれを見て微笑ましく思い、涙を見せた。
「なんで急に泣くんだよ」
「息子が生きていたら
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