暁 〜小説投稿サイト〜
殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
3話 葛藤する殺人鬼(マーダラー)
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。それ以前に、彼女は僕のことを思っていたのかもしれない。
 

 「何を考えていたんですか?」
 リーナはベッドで横目に僕を見る。僕は使い終わった避妊具を固結びし、ティッシュにくるみ、ゴミ箱に投げ入れた。
 「リーナ、出逢った頃から全く変わらないよな」
 「なんですか?急に」
 僕は彼女の頭を撫でる。
 「君のお兄ちゃんで居たつもりが、いつの間にか、君が近くに来ていたよ」
 彼女は猫なで声を上げる。
 「カリヒさんはいつまでも私のお兄ちゃんです」
 「流石に、妹と性行為は嫌だな」
 「兄妹の禁断の気みたいで萌えません?」
 「萌えないよ」
 リーナはにっこり笑い、
 「私に魅力は感じませんか?」
 という。僕はそれに対し、
 「魅力がありすぎて妹として見れなくなったの」
 と、冗談を混ぜた最後の本音を言った。
 リーナが近くなればなるほど、リーナが当座買っていく不思議な葛藤。この感覚は歯がゆく、心に鎖をまとわせた。
 
 
 その頃、日本で。クロノスと言われる男の話。
 彼は殺し屋をしている。
 「お願いします。少ないお金ですが…」
 裸の20万の札束を差し出す女性。30代後半の女性は体を売って稼いだお金をクロノスに差し出す。クロノスはそれを受け取ってこういう。
 「これで日本の佐久島組という暴力団を敵に回せというのか?」
 女は真っ青な顔を見せる。
 「た、足りないのであれば体で払います」
 クロノスはその言葉を聞くと、怒りを覚えた。彼は奴隷だった。殺し屋の奴隷だったため技術や技量は潜在的に高い。
 彼は飼い主を殺し、殺し屋として独立し、名を売る。彼を雇った奴隷主は百人以上いるが、彼は自分に合わなかったり、報酬が少ないと、全部殺した。奴隷主ではなく、一般人がお金を持ってクロノスにお願いするのは異例の事態である。
 「イラネーよ」
 クロノスは落ち着いて反論する。
 「え?」
 女性の思考は混濁した。
 それを見たクロノスは告げる。
 「テメーみてーな誰とでも腰を振れる女なんざ俺の眼中にねえ。今日はこれで勘弁してやる。佐久島組を敵に回せば1ヶ月以上金に困らなそうだな」
 彼はカリヒと同類のニンゲンだ。人を殺す瞬間が1番の生きがい。
 

 佐久島組とは、日本で最も有名な暴力団で、日本のヤミ金や株を取り仕切っている。
 クロノスはそれを知っていた。先ほどの女性は夫がヤミ金に関わっていて自殺をしたらしい。法に触れずに暴力団が動いていたため彼女はもう殺し屋に頼るしか方法がなかった。
 クロノスは1つのヤミ金を仕切っている事務所に訪れた。彼の格好はスーツ姿で、髪の毛をワックスで7・3に分けた。いかにも百年前のサラリーマンだ。
 彼は日本人では無いし、それ以前にまともな仕事についたこ
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