暁 〜小説投稿サイト〜
殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
3話 葛藤する殺人鬼(マーダラー)
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っと。僕のそばに居てくれればそれでいい」
 そして彼女を抱擁し、キスをした。

 
 彼女を抱いていると、出会った時のことが蘇ることがある。
 僕が10歳の頃。シグ・ザウエルP226を片手に、ヨーロッパの牧草地にある小屋を目指して歩いていた。
 フレイドル・バード・カーミと言う奴隷主がその土地で、20人を超える奴隷を飼育していると言う報告があり、当時第六部隊の任務で奴隷の保護を務めていた。
 僕は大人に、取り敢えず奴隷以外は殺せと言われた。抵抗してきたら奴隷も殺しても構わないと。
 僕は当時から、いや、それの3年前からニンゲンを殺すことが大好きだった。
 そしてその土地の小屋に白昼堂々中に入る。昼間だったので、奴隷たちは農作業や荷物運びを行い、飼い主は農作業をしていた。小屋には怪我をして倒れている少女が居た。彼女がリーナなのだが、僕はその時、フラッシュバックで、自分の過去が思い浮かんだ。
 彼女に近寄ると、虫の息だった。
 僕は取り敢えず外に出て、農作業をしている男に、飼い主、フレイドル・バード・カーミがどれなのかを聞いた。
 すると、1番楽そうな作業、農作物の水やりをやっているのがそれのフレイドルだったらしい。僕はそいつに近づき、さっきの女の子のことを問い詰めた。すると男は「役立たずの奴隷なのだからお仕置きをした。欲しければ買っても構わない」と。僕はその時笑いが止まらなかった。今でもフレイドルの言葉を一語一句覚えている。
 僕はシグを飼い主の左耳たぶに向けで撃ち放つ。すると男は泣きわめく。耳に穴が空き、銃声で鼓膜が敗れただろう。
 奴隷たちがこの場に集まってきた。
 「いいか!よく聞け奴隷ども!僕らはSRAだ。いつまでも奴隷で居たければ此処で死ね!開放されたければ我々についてこい!」
 僕はとっさに言葉を放つ。これで抵抗されたら僕は死んでいただろう。しかし、怒声が聞こえたと思ったら、それは歓声で、僕はその場の救世主になったのだ。最近そこで助けた元奴隷の人と、ここですれ違ったばかりだ。
 飼い主はその時、命乞いや、権力に依る脅しを仕掛けてきたが、僕は両足の腱を撃ち、奴隷たちに隙なだけ殴るように言い聞かせてみた。奴隷が飼い主を殴る瞬間は恐らくこの世の何よりも快感だろう。
 僕はすぐ小屋に戻り、ふくらはぎに青痣ができているリーナに名前と覚えていることを全て聞いた。
 驚いたのは、彼女にはなにもないことだ。
 そして、飼い主を殺したことを言ったら悲しい顔を見せた。それ以外に、命を救って切れたことも感謝された。
 僕は彼女にリーナという名を与え、兄として接してきたつもりだった。
 いつからだろう?
 彼女が僕を恋愛対象として見るようになったのは。少なくとも、僕が彼女を初めて抱いたのは2年前の16歳、彼女が15歳の時だった
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