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殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
3話 葛藤する殺人鬼(マーダラー)
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だろ」
 「いやだって、痛いもん」
 そんな無駄話をしていると僕の髪の毛をかすめて、ペイント弾が滑空し、窓へとあたって、赤いインクをつける。
 僕は急いで窓を飛び降りる。
 太一はそれに続いて、乱射しながら落ちる。
 僕は受け身をとり、木陰に隠れる。連射の速度が以上に早いことに僕は今始めて疑問に思い、一瞬で自問自答を終わらせる。彼は2丁拳銃でこちらに攻撃を仕掛けていた。それに、受け身に専念していた僕でもやっとの思いで痛みをこらえたものの、彼は直前の受け身で、落ちた時の衝撃をかなりおさえていた。
 「対隊長部隊かぁ。中々強いねぇ!」
 あの2人に比べ、彼は格段に機動力は高かった。
 僕は木陰でゴソゴソと動き、敵の弾切れ、マガジン装填を待った。しかし、一向に撃つ気配がない。それもそのはず。反対方向に回りこまれ、太一との距離は2メートルを切っていた。
 「っく!」
 彼が照準を合わせ手を伸ばしているところに僕は踏み込み、腕と体の間までに距離を詰めた。
 彼は少し驚いた表情を見せた。僕は浸けこむように彼にタックルし、押し倒す。そしてペイント弾を腹部に一発打ち込んだ。
 うめき声を上げ赤く染まる。
 
 
 「やられましたねぇ。対隊長用部隊。頑張って勝てそうな人を選んで鍛えたのですが1日では無理ですね」
 「当たり前だよ」
 レンジさんは頭をかく。
 彼は僕の技量を試したかったのだろう。それにはまず対等に戦える人が必要だった。しかしこの隊にはそんな人もおらず、結果的に、僕の実力の半分も見れないまま終わったのだが、昨日の夜、上層部から命令があり、来週の9月25日に本拠地の在るロシア支部に零部隊の3人で来るように言われたのだ。
 レンジさんとは短い付き合いでお別れなのだ。
 
 
 「アーシャ。リーナ。本部へ行く準備をしてくれ。準備と言っても着替えだけだ。飛行機を使っていくから武器はもっていけないんだ」
 出発まで約6時間。彼女たちに軽く言い聞かせ、海彦さんが運転するバギーに乗って付近の空港に向かう。
 「カリヒさん。今まで私達のために尽くして頂きありがとうございます」
 海彦さんは運転中、軽く涙を流している。
 「気にしなくていいよ。むしろ、僕らがお世話になったくらいだから」
 
 
 本部に行くと、怪我人がやたら多く存在していた。僕らには暗殺スキルが備わっているわけではない。
 僕は本拠地で暗殺の基本であるナイフを習っていた。教官はミカエル。彼女はキリスト教徒が飼い主だった元奴隷。名付け親は飼い主だった模様。
 僕は人型の藁に右手で斬りかかるが、ミカエルは声を出して俺を止める。
 「カリヒさん。少しぎこちないです。両手で別々の動きをして、威力よりも手数を多くしてください。確実に殺すにはそれが手っ取り早いで
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