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転生とらぶる
Fate/stay night
1187話
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 その威力も、バーサーカーを1度ではあっても殺すだけのものは持っていたんだから、相当だろうし。

「けど……真名解放は無理か」

 カラドボルグを握りながら、溜息と共に呟く。
 勿論このカラドボルグに限らず、金ぴかから奪った宝具の数々は普通の武器としても破格の性能を持っている。
 それは、ランサーがゲイ・ボルクを真名解放せずに使っていたのを見れば明らかだろう。
 セイバーのエクスカリバーとか。
 だからこそこの武器は確かに武器としては一級品なのだが……それでも、やっぱり宝具は真名解放してこそだろう。
 その後、暫くカラドボルグを真名解放しようとして魔力を通してみたりしてみたが、結局何の意味もない……いや、俺の特殊な能力を使っても真名解放出来ないというのがはっきりしたという事しか分からなかった。

「うおっ! アーク、何だよそれ!」

 居間に入って来た衛宮が、俺の持っている剣を見て驚愕の声を上げる。
 まぁ、属性が剣という衛宮にしてみれば、自分の属性が分かってなくても剣には興味があるんだろう。
 それも、宝具となれば尚更。

「金ぴかから奪った宝具だ。まぁ、真名解放出来ないけどな」
「……へぇ。こんな宝具を大量に持ってたのか。確かにセイバーからあのサーヴァントの戦闘方法は聞いてたけど、本当に凄かったんだな」

 どこか羨ましそうにこっちを見てくる衛宮。
 原作だと色々な意味で金ぴかを恨むというか、倒すべき敵としてみていたと思うが、この世界だと金ぴかと衛宮の接点は殆どなかったからな。思うところはあまりないんだろう。
 まぁ、そうだな。以前桜の件を解決する時には解析させなかったし、これくらいならいいか。
 どのみち、これは俺が持っていても良く斬れる剣でしかないし。

「良かったら見てみるか?」
「いいのか!?」

 心底嬉しそうな笑みを浮かべる衛宮。
 それに頷き、カラドボルグを衛宮に手渡す。
 まぁ、俺が凛に召喚されたせいで、エミヤはこの世界に存在せず、衛宮は本格的な投影を覚える事が出来なかったからな。
 勿論これを渡したからって投影を覚えることはないと思うが、それでも一種の罪滅ぼしに近いものではある。

「トレース・オン。……うわっ!」

 渡されたカラドボルグを解析しようとした衛宮だったが、次の瞬間には顔中に汗を浮かべて驚きの声を上げる。

「これが……宝具か」
「ああ。分かっただろ? 迂闊に宝具を解析しようとすればどうなるのか」
「そうだな。これは、とても俺の手に負えるものじゃないのは確かだ」
「シロウ、何をやって……アークエネミー? その剣は一体?」

 衛宮を呼びに来たのだろう。セイバーが居間に入ってくると、衛宮から返されたカラドボルグを持った俺に驚きの視線を向ける。
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