アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第十四話 接吻の意味
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数少ないプレイヤーの一人であるルナは、今まさにその秘湯をめざしていた。分かりづらい場所にあり、モンスターも出るのであまり近づくプレイヤーがいないためのんびりできるのも一つの利点である。
少しすると、温泉特有の硫黄のにおいが漂ってきた。前方を見るとごつごつした岩場に囲まれた場所に温泉があるのが見える。近くまで来ると、岩かげに隠れ、武器や装備をアイテムストレージにしまって入浴準備をしていく。下着を外しタオルを体に巻いて、温泉へと浸かっていく。全身浸かり終えると、あまりの心地よさに一息ついた。
「・・・ふぅ、心地いいなぁ〜」
「・・・そうだな」
「っ!?」
誰もいないと思っていたところから突然声をかけれたため、臨戦態勢を取って声のした方を向くルナ。そこには見知った顔があった。
「ソ、ソレイユ!?」
「よっ、ルナ。奇遇だな」
苦笑いしながら挨拶をしてくる知人をはっきりと認識したところで、ルナは温泉に浸かりなおした。
「びっくりしたぁ〜、いつからいたの?」
「お前が来るちょっと前から。別に隠れてたわけじゃねぇからな〜。気づかないお前が悪い」
「・・・うぅ、言わないで・・・」
己の失態を恥じるルナを苦笑しながら盃に口をつけるソレイユ。近くにはお盆に乗せた徳利が浮かんでいた。
「それより、今日はどうしたんだ?」
「・・・?何が?」
「滅多なことがない限り、ここには来ないんだろ?」
「・・・ばれましたか、さすが・・・」
「お前がわかりやすいだけだよ」
そういって、徳利の酒を盃に注ぎ、再び盃に口をつけるソレイユ。ルナは気の沈んだ表情で口を開いた。
「・・・実はね、結婚を申し込まれたんだ・・・」
「・・・・・それで?」
「・・・うん、何度も断ってるんだけどなかなか引いてくれなくてね」
「・・・・・」
「今日はアスナに助けてもらったんだけど、相手の方はあきらめてなかったっぽいし、これからこんなことが続くとなると、ちょっと鬱だな〜と思っちゃってね・・・」
「・・・・・・ふぅ〜ん、じゃあさ」
ルナの言葉が終えると、先ほどまでの表情が嘘のように消えていた。それを不思議に思ったルナが何か言おうとしたとき、ソレイユはルナを岩にやさしく押し付けた。いきなりのことに困惑するルナだったが、それに構わずソレイユが口を開いた。
「そういう事実でも、作っとく・・・?」
「・・・な、何を言って・・・」
るの?と言葉は続かなかった。ソレイユの唇がルナの唇をふさいだからである。突然のことで目を白黒させるルナを愛おしそうに見つめるソレイユ。少しの間をおいて、ソレイユは唇を離した。困惑するルナの耳元へ顔を寄せると甘さが混じった声で呟いた。
「A
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