21.女の心は移ろいやすい。男の心は狼狽えやすい。
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<サンタローズ>
俺は今、サンタローズで瓦礫の撤去をしている。
ビスタ港から船に乗る予定だが出港が10日後の為、少しでもサンタローズの復興に尽力出来ればと、柄にもなく殊勝な事をしている。
ラインハットを出る時は結構な騒ぎだった。
マリソルとデルコは『別れたくない』と泣き駄々をこねる。
『美人に成長したら、また遊びに来るよ』とマリソルの額にキスをし、デルコには『お前の姉ちゃんは俺が目を付けた。悪い虫が寄り付かない様に見張っておけよ』と念を押しておいた。
それを聞いたピエールが俺に蹴りを入れてきた。(この娘、絶対Sだよね!)
それを見て何となくは気持ちを理解したのか、泣きながら見送ってくれた。
マリアさんとヨシュアさんはラインハットに残り復興の手伝いをする様だ。
『ヘンリー!チャンスだ!マリアさんを絶対物にしろよ!』そうヘンリーに耳打ちすると、顔を真っ赤にして恥ずかしがりながら『が、頑張るよ…お、お前に奪われたくないから』って呟く様に言った。
とてつもなく純情だ。
これじゃハーレムなんて作らないなぁ…頑張ったのに計画狂っちゃたなぁ〜…
ヨシュアさんは俺に自分の剣を持って行く様に勧めてきた。
『でかすぎて、使いづらいからいらね!』って断ったら、何故かピエールが『お前、もう少し言葉を選べ!』って脇腹を殴ってきた。(俺Mじゃないから!やめて!マジで!)
当のピエールはラインハットに残るのかと思ったが随行を表明してきた。
『僕に惚れちゃったのぉ〜?しょうがないなぁ〜!』って戯けたら『ヘンリー殿に、お前の常軌を逸した行動を押さえる様、依頼された』ってさ!
ちぇっ…やっとモテモテライフ、テイクオフ!かと思ったのに!
まぁ、そんな訳で短い間だが、今はサンタローズで働いている。(無償)
10年前にあった物が殆ど無くなってしまったが、10年前には無かった美しい物もある。
教会の横手で咲いている美しい桜の木だ。
10年前にフレアさんに渡した桜の枝を、挿し木にして育て続けた様だ。
ラインハットの兵が踏みにじり毒を撒いても成長し続けた桜。
フレアさんは『リュー君桜』と呼びこの木を心の支えに頑張ってきたと、話してくれた。
胸が熱くなるのを感じフレアさんを抱き締め二人して泣いてしまったのをピエール達に見られ恥ずかしかった。
<サンタローズ>
フレアSIDE
リュー君がまた帰ってきてくれた。
しかもラインハットを正し、パパスさんの名誉を回復してくれた。
そしてパパスさんのお墓を、実家だった所の裏に建てるそうだ。
最初は手伝おうとしたのだが寂しそうな瞳で断られた…
少しの期間だがサンタローズの復興も手伝ってくれている。
瓦礫を易々と運ぶリュー君は逞しくて格好いい。
私は兵士達に襲われて以来、
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