四話:救われる者、救われぬ者
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ための彼女からのクリスマスプレゼント。
はやてはその欠片を何よりも大切な物として固く抱きしめる。
その周りに大切な友人と家族が駆け寄ってくる。
「……リインフォース、そろそろ行こう」
『主には姿を見せないのか?』
そんな光景を隠れた場所から見守っていた切嗣と代わりの拠り所にコピーされたリインフォース。
切嗣としてはそのままはやてにリインフォースを渡してもよかった。
だが、スカリエッティとの契約もあり、何よりもユニゾンデバイスの復元という恐ろしく難易度の高い作業が待っているために復元後に返すことに決めたのだった。
尤も、一番の理由としては。
「……合わす顔がない」
『そうか……』
切嗣自身にはやてと騎士達に会う勇気がないからである。
リインフォースもそれが分かっているためかそれ以上は何も言わない。
しばらく無言で立ち去っていた二人であったが珍しく切嗣の方から沈黙を破る。
「もっと、完璧な方法で救えればよかった……。僕がもっと早く助けようとしていれば…っ」
『気にするな。今はともかく、あちらの私は生粋の機械だ。コピーされる方が普通だろう。そして、どちらも同じ私だ。お前は間違いなく私を救った』
「でも……それでも、僕は―――」
慰めてくるリインフォースの声を聞きながらも切嗣の顔は曇ったままであった。
今回、衛宮切嗣は1人を救ったと言える結果を出した。
だが、それだけだ。1人を救えば視野は広がる。
1人の次は10人を、10人の次は100人を、100人の次は―――
「―――誰かが消える光景なんて見たくないんだ」
―――一体、何人を救えば良いのだろうか?
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