脱出-エスケープ-
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一体何のようじゃ?」
「……」
実はあなたたちに船を奪いに来ました、などと場か正直に答えるべきじゃない。たとえレコンキスタに反抗していた=正義の味方なんて考えは実に馬鹿馬鹿しい。ここまで組織的に動く賊とはたいがいは享楽主義者が当たり前だ。
「おいおい、答えられないのか。まさかとは思うが土くれの姉さんよ、俺たちの船まで盗み出そうとしていたんじゃないだろうのぉ?」
図星を突かれ、マチルダは息を詰まらせた。
「その様子だと、本当らしいのぅ。さすがは土くれ。ずいぶんと図太い肝っ玉を持っておるのだな」
ガル船長は不適に笑う。自分たちの船を盗もうとした相手を懲らしめる機会を得られて嬉しがっているのだろうか。
「船長、この女とガキ共、どうするんすか?」
クルーの一人が、マチルダたちに対する処分をどうするかを尋ねてきた。マチルダは警戒し、杖を構えた。それに加え、とりあえずヘンリーの体を使っている地下水も身構える。
(やばいね…さすがにこの子達を抱えながらじゃ…)
ゴーレムを形成してぶつけても、其相応に集中力が必要だ。だが、今は子供たちがいる。あの子達に気を配りながらではうまく扱えない。地下水がいるとしても、この人数相手では分が悪すぎた。
と、そのとき、街のほうから光の柱が立ち上りだした。
最初はダイナだった。町で暴れまわろうとしているモルヴァイアに向けて身構えている姿が見えた。
「き、巨人!?」
船員たちがざわつく。
しかし、それだけではない。ダイナに続いて、また新たに姿を現した者達がいた。黒い巨人メフィストと、光の巨人ウルトラマンネクサスだ。すでに最初から、ジュネッスブラッドに形態変化していた。
「…このまま船を飛ばしても、とばっちりを受けそうだな」
グルが、ダイナたちの姿を見て、若干機嫌を悪くした様子を見せる。別に彼らを嫌悪するわけではないのだが、船を飛ばすタイミングを測らなければならなくなった。
「兄ちゃん…!」
ネクサスの姿を見てサムが声を漏らす。一瞬、我らがヒーローが来てくれたような、そんな期待を寄せていた。
だが、その期待はすぐに崩れ去る。
「ウアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
血を求める獣のような咆哮が、マチルダたちの肌に突き刺さった。
変身した途端に、ネクサスの…怒りと憎しみがこめられた拳がメフィストを殴り飛ばした。
ダイナに変身したアスカは、すぐに先制攻撃として蹴りをぶつけようとすると、モルヴァイアは機敏にバク転しながら回避、背を向けていたダイナに向けて今度は自分が蹴りを叩き込む。
咄嗟に背後を振り返ったダイナは、モルヴァイアの蹴りを両手で受け止め、そのままひっくり返す。
宙を一回転し、難なく着地したモルヴァイアはダイアの顔を殴りつけ、さらに3発ほど拳で打撃を与えようとする。
しかし、
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