脱出-エスケープ-
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たこともあって、避けきれず正面から受け止めるしかなかったダイナは、受け止めた態勢のままベムスターに押し出されていく。
その隙をついてか、テロチルスがアバンギャルド号に向かっていく。
「怪獣が近づいてきた!」
「砲門を開け!大砲発射!」
空賊たちも、自分たちの翼も同然の船を守るべく、大砲を用意して迎撃態勢に入り、反撃の大砲を放ったが、やはり防ぎきれるほどの威力を発揮できなかった。
「邪魔だ!」
倒せなくてもいい。今はとにかく彼女たちを送り出さなくては。ダイナは乱暴にベムスターを引きはがし、頭にひじ打ちをたたきこんで地上に向けて突き落とした。
「ベギィ…!」
脳天にきつい一撃をもらい、ベムスターは昏倒して落ちていく。致命傷でなくともしばらくは動けないに違いない。
そして、船に向かっていくテロチルスの翼に向けて、両腕を十字に組んで必殺光線を放った。
〈ソルジェット光線!〉
光線は、テロチルスの翼の付け根に直撃、テロチルスは地上に落ちて行った。
しかし、必殺光線の威力は弱く、テロチルスを倒すまでに至らなかった。これ以上ダイナの姿でいることはできなくなり、アバンギャルド号に向かう分の体力も残されていなかった。やむを得ず、ダイナは一筋の光と化して、地上のどこかに降りて行った。
消える直前に、ネクサスの身に起きた異様な現実を目の当たりにして…。
アバンギャルド号が、ついにアルビオンの空へ飛び立ち始めた。
これでテファの身の安全は、確保した。
安堵していると、再びメフィストからの光弾がネクサスの体に降りかかった。
「ッ…っグ…!」
背中に痛みを覚えながらも、ネクサスは背後を振り返る。光弾を撃ってきたメフィストは、我が物顔でネクサスの背後に立っていた。
「まだ光に未練があるようだな?」
「未練?そんなの関係あるか…!」
メフィストが、心の中を見透かすように、その漆黒色の瞳でネクサスを凝視する。
「くくく…ずいぶん足掻くものだな…。だが所詮、貴様も俺と同じ…血に飢えて血で、赤く染まった存在…」
「黙れ!!」
これ以上こいつの声を聞きたくなかった。激情に駆られ、ネクサスは右拳を突出し、メフィストを空中へ舞い上げた。
「デヤアアア!!」「ウグゥ…!!」
はるか数百メイルまで飛ばされたメフィストを、彼は逃がすまいと飛び立った。
メフィストは空中で受身を取って急ブレーキをかけ、近づいてきたネクサスに向けてメフィストクローを構える。ネクサスが接近してきた。彼は急速接近中にシュトロームソードを展開、メフィストに近づいたところで剣先をメフィストに突き出した。
その目に、憎悪と怒りを滾らせながら。
「ハアアアアアアア!!!」
初撃目はメフィストクローによって塞がれたが、それからもネクサスは剣を突き出し続け、防がれるたびにま
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