脱出-エスケープ-
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けにダイナに差し向けており、最早この男に頼んだのは失敗としか言いようがなかった。我ながらみっともない話だ。これでは自分の主になんと報告すればいいものか。
(いずれ…こいつと組んでいたあの女ともども始末して、その骸を利用してやるわ…)
心の中で、いずれこの男を処分することを誓った。
(って、それよりも、虚無の娘の方ね)
今は、自分の主から捕獲を命じられた虚無の娘…ティファニアの方が優先だ。
アルビオンの空を飛ぶガーゴイル、シェフィールドはそいつの目から今回の戦いの流れを観察していた。その手には、怪獣を保管している『バトルナイザー』が握られていた。
「駒は一体でも無駄なく大事にとっておきたかったのだけど仕方ないわ。
さぁ…お行き」
軽くバトルナイザーを指揮棒のように振るうシェフィールドのガーゴイル。すると、アルビオン大陸のかなたから…
「グゴオオオオオ…!!」
遠い彼方から巨大な影が2匹ほど飛来した。このアルビオンという縄張りを外敵から近づけさせないために、アルビオン大陸の周囲の空を飛びまわっていた怪獣たちだ。
その怪獣は、タルブでの戦でもシェフィールドが脱出手段として利用した『宇宙大怪獣ベムスター』と、『始祖怪鳥テロチルス』。狙いをアバンギャルド号…それも、その甲板からネクサスを見つめ続けていたテファに狙いを定め、急速接近した。
「!」
二大怪獣の出現に、いち早く気付いたのはアスカ…ウルトラマンダイナだった。もとよりヤマワラワを助ける手段がすべて封じられていた。メフィストのせいで、ネクサスもこちらに来れる状態でもない。こうなったら、テファたちの安全を確保するためにも自分がいかなければ。
ダイナはヤマワラワを蹴飛ばし、彼女たちを守るべく空に飛び立ち、ベムスターたちを出迎えに行く。
本来迅速な行動を求められるとき、ダイナはもう一つの…速さと超能力に秀でた青い姿『ミラクルタイプ』に変身するべきだったが、それはできなかった。ダイナは一撃必殺の技さえも持つのだが、それ故なのか、一度の戦闘中に1回しかタイプチェンジを行うことができないという致命的な弱点も持っていたのだ。こればかりは、長年宇宙を飛び回り戦い続けてきたアスカが克服しきれなかった課題でもあった。
元の、フラッシュタイプのまま彼はアバンギャルド号に近づくベムスターとテロチルスを迎え撃った。
「デヤア!!」
接近しつつ拳を繰り出し、ベムスターの背中を殴りつける。しかし大きなダメージには至らなかった。もうこの時、ダイナのエネルギーはさっきよりも少なくなっていたのだ。いつまでこの姿を保てるかもわからない。いや、いずれにせよ、もうじき変身が解けてしまう。ここは大空、そうなったらテファたちだけでなく、自分も助からない。
ベムスターが反撃にダイナに向けて突進する。それを消耗してい
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