第3話 魔術使い
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ーを丁寧に鉄心に手渡した。
「それを常日頃からも所持していれば、今迄よりかはガイアの代理人の目を誤魔化せる筈です。と言っても急ごしらえの応急処置様ですが」
「これがのう・・・。じゃが既に百代は狙われたのじゃろ?応急処置なぞ今更無意味なんじゃないのか?」
「当然の心配でしょうがご安心を。今まで殲滅してきたシャドウサーヴァントも含めて、討滅に使った魔術にある細工を忍ばせていますから、川神の事はばれていない筈です」
士郎の説明に正直半信半疑と言った感じだが、何所まで行こうと魔術についてはお手上げ状態の鉄心からすれば、仕方なくも任せるしかなかった。
「一応、納得しておくの。それで後はお前さんの事を黙っておればよいのじゃな?」
「察してくれて助かります。勿論川神にもですよ?下手を打てば、彼女の現在の精神の在り方では、身も心まで戦闘狂になりかねません」
「耳の痛い話じゃが、最後に皮肉らなくてもいいじゃろうにぃ。――――お主、少し雷画の奴に似てきておるぞ?」
鉄心は、若干恨めしそうに士郎を見た。
その反応に士郎は苦笑する。
「そんなつもりは無かったんですがね。―――では今宵は是にて失礼させて頂きます」
士郎は一礼してから、手に持っていた赤い外套の『赤原礼装』と髑髏に似せたハサンの仮面を被り、一瞬にしてその場を去った。
気配すらも感知させずに。
「・・・・・・・・・相変わらずの身のこなしに気配の隠しヨナ。――――今更じゃがまったく、雷画の奴めはツイておるのう。あんな化け物を懐に忍ばせられるとは」
鉄心は、此処には居ない友人に向けて、僻みの言葉を呟く。
そして川神院の方角に向く。
「これ、モモの奴に如何言い含めようかのう・・・」
士郎に渡されたお守りを見て、また溜息をつくのだった。
−Interlude−
士郎は自宅に戻り居間に入ると、そこにはこの時間帯には珍しく、白を基調とした私服に身を包むスカサハがいた。
今更だが、彼女の漆黒の髪に白い服は良く映える。
「帰ったか」
「ど、如何して――――」
「お前が気落ちしていると思ってな。慰めてやろうと思ったのよ」
士郎の考えた策を了承したスカサハは、士郎がどの様な面持ちで帰って来るか予想出来ていたので、こうして待ってくれていた様だ。
「いいですよ。そんな」
「まぁまぁ、騙されたと思って私の目を見ろ」
「な、何・・・・・・ぉ・・・・・・・・・」
スカサハの手で無理矢理顔を固定された士郎は、彼女の瞳を見た瞬間に、体から力が抜けて意識を手放していった。
そこで倒れそうになる士郎を、スカサハが抱留める。
「ふむ、中々いい具合に体も出来て来たな。さて
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