第3話 魔術使い
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後のためにと自分で決めた仕事を熟す為、士郎は高層ビルの屋上から飛び降りるように夜闇の空に自分自身を投げ出して行った。
−Interlude−
川神院現総代にして元最強元武神である川上鉄心は、百代の部屋から近い庭先に違和感を感じ取って行ったが、暫く居ても何も見つからないので、気のせいと思い直してから自室に戻ってくる処だった。
「ん?何じゃ、これは・・・」
そこで自室の襖に挟まれている封筒を見つけて、それを取る。
「ふむ、何々・・・・・・・・・・・・・・・」
封筒の中の手紙の内容を確認していく鉄心であったが、直に顔を上げた瞬間にその場から消え去って行った。
そうして鉄心が、まるで消え去るかのように駆けて来た山奥の中腹に着くと、赤い外套の人物に遭遇した。
『お早いお着きだ。流石は鉄心殿と言った所か』
「挨拶何ぞ、ええわい。それよりもお主は何者じゃ?」
『手紙に記載したはずですが?』
「魔術師・・・・・・か」
鉄心は疑いながらも、探るような眼つきで赤い外套の人物を観察する。
魔術師と言う人種を知っているからこそ、距離を置いた上での対応だった。
「その魔術師が儂に――――」
『川神百代は危険だ』
「何・・・?」
鉄心が質問する前に、赤い外套の人物は話を切り出した。
『もう一度言う。貴方の孫である川神百代は危険だ』
「如何いう意味じゃ?うちの孫がお前さんたちの領域に、エンカウントでもしたかの?」
『そう言う意味じゃない。寧ろその程度であれば話は簡単だった。直截に言えば彼女のあまりの才能が危険視されたのか、いずれ世界を亡ぼしうる要因としてガイアに狙われている』
「なっ!?」
鉄心はあまりの突飛過ぎる言葉に目を剥いた。
それはそうだ。いきなりガイアと言うキーワードを出されれば驚きもする。
ただ驚愕したにはしたが、鉄心の心の淵は冷静だった。
孫である百代のあまりの才能については、かつて武神と呼ばれた自分にすらも想像し切れない程だ。
しかし百代を危険視された事については、苦悩はしつつも不思議と納得できてしまった。
だが・・・。
「確かに百代の件についてはそれ程の才能じゃから理解できるが、お主の言うガイアの代弁者が狙っている証拠は有るのかのう?」
『提示できる証拠はないが、貴方も巷の噂なら耳に届いているはずだ。世界中の怪奇現象を。あれらは全てシャドウサーヴァントの仕業であり、彼らが捜しているのは世界を亡ぼす要因だ』
「その原因が儂の孫じゃと言うのかい?」
『その一つだと言っている。貴方は信じないかもしれないが、先程この周辺のシャドウサーヴァントが全て消えて、代わりに一体のアサシンのクラスに当てはめら
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