第十八話 プールですその十四
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「あそこは大阪とは」
「ライバルよね」
「そうよね」
あまりよくない意味です。
「何か妙にカープに負ける年あるし」
「そっちなの」
何故か話が自然に野球に。やっぱり野球部が強くてスポーツ新聞を学校に持って来る女の子がいるからでしょうか。ちなみに何故か男の子は大阪スポーツ、略して大スポのことをよく知っています。あの見事なまでの痛快な嘘の記事はお父さんも大好きです。
「こっちはミナミの帝王」
「向こうは?」
「BADBOYSじゃないの?」
あまり筋のいい漫画じゃないですよね、どっちも。
「あの一人称が全部わしの漫画」
「ああ、あれね」
広島って男の人の一人称が全部わしってイメージがありますけれど。実際に結構わしって言う人が多いんでやっぱりそうなんだ、とか思ってもいます。奥華は広島の人も多いんです。
「そういえばミナミの帝王は」
「あれはないわよ」
その大阪の娘がすぐにそれを否定してきました。
「わてよね」
「そう、わて」
「あれはないよ」
「あるわけないじゃない」
困った顔でこう答えます。
「あの漫画の大阪弁おかしいから」
「そうなの」
「わしの方が普通よ」
そういえば大阪でもわしって言う人が多いです。女の人はうちです。これは大阪独特の方言なんでしょうかそれとも西日本特有なんでしょうか。
「あの漫画ミナミはよく描けてるけれどね」
「そういえばあんたの所属の大教会って」
「ええ、あの辺りにあるのよ」
そうした大教会もあるんです。場所はそれぞれです。中には東京のど真ん中にあったりします。奥華は大阪にしては静かな住宅街の中にあります。
「教会から一歩出たらもう大騒ぎ」
「中でも大騒ぎだけれどね」
「まあそれはね」
教会の中も結構騒がしいんです。鳴り物ありますし子供多いですしそういったことで。天理教は暗い宗教じゃないです。というか子供が多いんで賑やかなところがかなりあります。
「難波のあれはまた特別だし」
「阪神優勝したら川に飛び込むしね」
「道頓堀にね」
そういえば。私はここでふと気付いたことがあります。それは。
「あっ、そういえば」
「どうしたの、ちっち」
「あんたって所属先高井先輩と一緒よね」
「ええ、そうよ」
その大阪の娘に尋ねます。高井先輩の家の教会もその難波の方の大教会の系列なんです。直属でかなり古い教会の娘さんです。
「やっぱり小さい頃から知り合いだったの?」
「小さい頃から凄かったのよ」
私にこう言ってきました。
「凄かったって?」
「ほら、先輩って」
「ええ」
何故か声のトーンが少し小さいものになります。
「凄い美人さんじゃない」
「それで難波を歩いたら」
「もう男の子が声かけまくってくるしスカウトだって」
「それで凄か
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