第二幕その十二
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「昔からね」
「だから臆病ライオンさんよりもお腹が空いてるのね」
「ライオン君もかなり食べるけれどね」
「タイガーさんはそのライオンさんの倍位食べてるわね」
「虎の方が大きいしね」
身体がです、実はライオンより虎の方が大きいのです。臆病ライオンはかなり大きなライオンですが腹ペコタイガーよりも少し小さいのです。
「だからね」
「そのこともあって」
「僕の方が食べるんだ」
「そういうことね」
「いつも何かを食べたくて仕方ないよ」
「けれど何でも食べないことはね」
「僕の良心がそうさせているんだ」
だから皆を襲ったりはしないのです、オズの国の他の生きもの達と同じくです。
「だからだよ」
「私達ともお友達でいられるのね」
「若し僕に良心がなかったら」
その場合についてです、腹ペコタイガーは恵梨香に悲しいお顔でお話しました。
「とんでもない生きものになっていたね」
「そうね、誰でも襲って食べる」
「そうした生きものになっていたよ」
「そうなっていたわね」
「そのことをモジャボロさんともお話したことがあるよ」
こうも言った腹ペコタイガーでした。
「そうなったら終わりだってね」
「そうなのね、そういえばあの人今日は」
「今帰って来たよ」
「ずっと弟さんとお仕事してたわね」
「そうだったね」
「あの人もあの人でやることがあるから」
「おられない時もあるわね」
モジャボロもいつも宮殿にいるとは限りません、オズの国きっての人気者であるこの人も結構多忙なのです。
「あの人も」
「そうよね」
「一緒になれた時に一緒に楽しむ」
「それがオズの国ね」
こうしたこともお話してでした、恵梨香は腹ペコタイガーとお別れをして寝室に入りました。そこでナターシャ達と一緒に寝るのでした。
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