8部分:第八章
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って思うとな」
「ああ、それ俺もだ」
「俺も」
皆彼のその言葉に続いた。一人だけではなかった。
「表じゃ笑ってて裏ではそんなことしてたんだよな」
「だよな」
こう言い合う。
「それ考えたらな。今までみたいに付き合えないな」
「全くだよ。少しは優しくしないとな」
「バチが当たるよな」
こんな言葉も出て来た。
「そうか。だからか」
また一人が言った。
「ああ言われてるのは」
「ああ言われてるって?」
「だからな。山の神様は大事にしろってな」
昔は山の神は女だとされてきた。これは日本独自の考えである。山の神は女房のことである。つまり自分の妻を大事にせよということである。
「だからか。そうした努力を陰でしてるからな」
「ああ、そうだな」
「そうなるな」
皆も彼のその言葉に頷いた。
「じゃあ。今よりちょっとはな」
「優しくするか」
「だよな」
皆で言い合うのだった。こうして彼等は女の子に優しくなった。それはこういった話が先にあった。しかしこのことは彼等は何も言わずただ態度に表しただけであった。女の子は白鳥であり水面の下でこそということがわかったからであろうか。
女の子の秘密 完
2009・3・31
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