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ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
74層攻略戦
久方振りの共闘を 01
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きる。 当然、アスナさんから発せられる殺気が更に一段階上がる。 このまま放置すると街中で戦闘を始めかねないので、僕は嫌々ながらも事態の収拾に動こうとしたところで転移門が再度青い光を発した。
 それを見たアスナさんが慌てたように走り出して、キリトの背後に隠れるように、あるいは縋るように身を寄せる。

 何事だと様子を見守っていると、転移門から1人の男が現れ、キリトの背に隠れるアスナさんを見つけると眉間に皺を寄せた。

 「ア……アスナ様、勝手なことをされては困ります……!」

 甲高い声の主は、血盟騎士団の団員だ。 ギルドのユニフォームにゴテゴテとした金属鎧。 豪奢な装飾が施された腰の武器は両手剣。 その長髪を後ろで束ねているやや病的な痩せ型の男は、キリトを意図的に無視したままアスナさんに尚も言い募る。

 「さあ、アスナ様、ギルド本部に戻りましょう」
 「嫌よ、今日は活動日じゃないわよ! ……だいたい、アンタなんで朝から家の前に張り込んでるのよ??」
 「ふふ、どうせこんなこともあろうと思いまして、私1ヶ月前からずっとセルムブルグで早朝より監視の任務についておりました」
 「そ……それ、団長の指示じゃないわよね……?」
 「私の任務はアスナ様の護衛です! それには当然ご自宅の監視も……」
 「ふ……含まれないわよバカ!」

 全くもって同感である。
 それでも悪びれることなく、むしろ苛立ったようにアスナさんに歩み寄ると、その華奢な腕を掴もうと……

 「っ!」

 そう認識した時点で、僕の身体は反射的に動き、自制を振り切って男の手を叩き落としていた。

 「はい、そこまでね」
 「なんだと? き、貴様、何様のつもりだ! 部外者はーー」
 「うるさいなあ」

 僕に攻撃の矛先を向けた男の言葉を遮り、そのまま至近距離で睨みつける。
 驚いたようなアスナさんと明らかに面白がっているキリトを横目で見つつ、僕は言った。

 「アスナさんは今日、僕たちと一緒に迷宮区に行くんだ。 邪魔をしないでよ」
 「貴様らとだと?」
 「そう。 ギルドの活動日だって言うなら仕方ないけど、今日は違うんでしょ? どんな理由があって人の約束に首を突っ込むのかな?」
 「私はアスナ様の護衛だ! 貴様らのような雑魚プレイヤー如きにアスナ様の安全が守れるものか!」
 「ふふ、僕たちが雑魚プレイヤー、ね」

 僕は笑う。
 KoBにどんな事情があるのかは分からないし知るつもりもない。 この男がどう言う理由でアスナさんをギルド本部に連れて行こうとしているのかだって、僕にとってはどうだっていい。
 だけど、この男はアスナさんが拒否していることを平然としようとした。 それだけで理由は十分だ。

 「大丈夫だよ。 僕たちは少な
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