20.ごめんで済めば警察はいらない。いや、そうでもないだろ!
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<ラインハット城>
デールSIDE
昨日の一件は、瞬く間に人々の知る所となった。
今までの悪政は全て偽太后が行ったいた事、そして行方不明だったヘンリー王子が戻り偽太后を倒した事は、国民を喜ばせ安堵させる事となった。
そして一晩明けた今日!僕を悩ませる事態が発生した。
「リュカさんからも言って下さい!王位を継ぐようにと!」
「デール君、こいつに何を言っても無駄だよ。分かっているだろ?君の義兄さんなんだから」
「そうです陛下。子分は親分の言う事に従うべきです」
「義兄さん…」
「それにヘンリーが王様なんて何かムカつくから、僕は説得はしないよ」
本人や家族の目の前で言う事じゃ…
「お前なぁ〜…まぁ、いい。そんな訳で王位はこのままと言う事に」
「僕は国王の器では無いのです。今回の一件で、その不甲斐なさを実感しました!」
「陛下、この兄は陛下を見捨てるつもりはございません。微力ながら陛下を全力でサポート致します。陛下はまだお若い。この国を立て直し、この国と一緒に成長して行きましょう」
僕は黙って頷く事しか出来なかった。
義兄の優しさが嬉しすぎて…
「そんな訳だリュカ!すまんが俺はラインハットに残らなければならない」
「正直助かる。何時も僕のナンパを邪魔していたヘンリーは、ここで置いて行こうと思っていたから」
「てめぇー…」
義兄さんとリュカさんは、お互い笑顔で言い合っている。
ちょっと羨ましいな。
「リュカさんには感謝に絶えません。何か僕に出来る事はありませんか?」
「無論あります」
リュカさんは真剣な面持ちで要求してきた。
「まず、父パパスの名誉の回復。そしてサンタローズの…いや、サンタローズに限らず君の不甲斐なさで滅んだ村への復興の援助。この2点!」
リュカさんの辛辣な一言に胸が痛む。
「何で貴様は、そう言う言い方するんだ!」
「ピエールさん、構いません。真実ですから」
僕はリュカさんに負けない様、真剣な面持ちでリュカさんに告げた。
「言われるまでもありません。その2点は僕が真の王になる為に必要な案件です。必ず実行致します」
「ん、なら僕はラインハットには…この国には、何も要求は無い」
そう笑顔で言うと、そのまま母へ向き直った。
「太后様。僕は貴女にこそ要求があります」
みんなの視線が母とリュカさんに向く。
「リュカさん!それは「黙っていろデール!」
義兄さんが僕の訴えを遮った。
「貴女は僕に、どのような謝罪賠償を支払って頂けますか?」
「わ、妾の愚かな考えで、そなたに多大な迷惑をかけた事、誠に済まなかったと深く反省をしている」
母はリュカさんの無表情で感情の無い瞳に怯えながら言葉を続ける。
「もう、妾は出しゃばらずデールとヘンリーを静かに見守って「ふざけるな!!
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