20.ごめんで済めば警察はいらない。いや、そうでもないだろ!
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!」
空気を揺るがす程のリュカさんの怒鳴り声に皆が言葉を失った。
「父の死の原因は、あんたが作った!サンタローズや他の村々を滅ぼしたのは偽太后だろう。その罪は命を持って償わせた!だが、父のパパスの死の原因だけは、あんたのせいだ!」
母は顔面蒼白で立ち竦んでいる。
「僕は父さんが嬲り殺される様を、この目で見ていた。あの光景は一生忘れない!」
「わ、妾は…そなたの父の殺害を命じてはおらぬ」
「ヘンリーを誘拐した犯人が、救出に来た者へ危害を加えないと思っていたのか?大人しくヘンリーを返し、降伏するとでも思っていたのか?そう指示をしてたのか?」
「それは…」
「あんたは僕に何をしてくれる?目の前で最愛の父を嬲り殺された僕に、どう償ってくれる?」
リュカさんは母を責める権利がある。
でも僕には…
「…妾も、命を持って償おう!」
「そんな!母上!どうか「そんなんでは僕の気はすまない!」
そんな!リュカさん…
「…では、どうすれば…妾に出来る事は、その程度…」
「僕は最愛の家族を目の前で失った」
そう言うとリュカさんはピエールさんの腰から剣を抜き、僕の方へ向き直った。
「貴女にも同じ苦しみを味わってもらう。家族を目の前で殺される苦しみを!」
「そ、そんな!デールは関係ない!妾を…私を殺せ!どうかデールだけは…デールだけは許してほしい」
母は泣き崩れリュカさんの足に縋り付く。
だが、僕の心は決まっていた。
「母上!貴女はリュカさんに償わなければいけない。それは死して一瞬で終わる様な償い方ではいけない。息子の死を心の重石にして生きていかなければいけない。リュカさん、どうぞ。これで母を許してあげて下さい」
「いい覚悟だ。その覚悟に敬意を表し、一思いにやってやる」
リュカさんの口調はむしろ優しい…それが一層の恐怖になる。
「やめてー!!お願いします!!どんな苦痛も…どんな苦しみも私は受けます!だから…デールだけは!!どんな事でもしますから…デールだけは…」
その瞬間リュカさんとヘンリー義兄さんに、人の悪い笑みが戻った!
してやられた!
この二人にしてやられた!
「どんな事でもって、言ったよな!?ヘンリー?」
「あぁ!確かに言ってた!この場にいる、みんなが証人だ!」
「え!?」
母は涙や鼻水でグチャグチャな顔で二人を見上げキョトンとしている。
「マリアさーん!」
奥から美しいシスターが二人の子供を連れてきた。
「太后様、あんたには直接は関係ないのだが、この二人マリソルとデルコは偽太后のせいで両親を失った。この二人の親代わりになってもらう」
「私が…!?」
「ただ親代わりになればいい訳じゃ無い。デールを見れば分かるが、あんたの子育てレベルは低そうだ。」
何か酷い事言われてます。
「
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