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逆さの砂時計
オペラセリアのエピローグ 4
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って来い」
 (無理)
 「だろうともッ!」
 ちくしょう! 体が一つしかないのは不便だ。ツッコミも入れられん!
 (クロスツェルと三人で一緒に居ても良いと思うのに)
 「……お前、レゾネクトに子供を産めって言われて、嬉しかったか?」
 (…………いいえ……)
 あー良かった。此処で頷かれたらシャレにならん。
 「つまりはそういう事だよ。万歩・億歩譲って、仮に私がベゼドラに好意を持ってるとしても、だ。アイツは私の人格や感情を無視した行動を取り続けてる。好きだったら何をしても良いのか? 好きだったら何をされても赦すのか? 違うだろ? そんなのはどっちもただの自己満足だ。向き合ってもいないし、どっちも互いを認めちゃいない。都合が良い偶像を押し付け合って、都合が良い埋め合わせをしてるだけだ。本当の意味で視線が合わない奴と一緒に居たって、空々しいだけ。アイツが飽きて離れるんならそれまでだし、一緒に居たいと思うなら尚更今は突き離して気付かせるべきだ。私は人形じゃないってな」
 これは付き合いや好き嫌いに限った話じゃない。お前の願いにしてもそうなんだぞ、アリア。
 何でもできるからって、何でもして良いワケがない。
 できたとしてもやっちゃいけない事がたくさんあるんだ。
 お前はその一線を、レゾネクトの……願望の誘惑に負けて踏み越えてしまった。
 だから、護りたい者の為に護りたい者を犠牲にして……一方的な制圧に自分を責めながら、捧げられる感謝で苦しむ羽目になるんだよ。
 悪意と殺意と暴虐の結晶みたいな悪魔を相手にしてさえ、消滅させた後は延々と「ごめんなさい」って言いながら隠れて泣き伏せちまう小心者なのにさ。
 「ベゼドラが私の何を見て求めてるのかは知らないが、私はアイツに私の意思を認めて欲しい。言葉を交わす前に体を狙って来る内は、絶対傍に居させない。拘束なんざ以ての外だ」
 見上げるでも見下ろすでもなく、寄り掛かるでもなく、誤魔化し合うのでもなく。
 一緒に居るなら「対等」が良い。
 互いを認めて励まし合い、時に外れそうな道を叱って、叱られて、喧嘩もして。
 それでも最後は笑って肩を叩き合える関係が良い。
 理解者で好敵手で協力者で……仲間が良いんだ。
 もしかしたら凄く難しいのかも知れないけど。
 そうあろうとする努力もせずに最初から諦めて付き合っていくくらいなら、すっぱりきっぱり離れたほうが良い。どっちにとってもいつかは負担になると思うから。
 「私の言葉を一つでも受け止められる程度になったら、私だってちゃんと考える。でも、今のアイツじゃ駄目だ。って言うかさぁ……」
 (?)
 「冷静になってみろ。お前は知り合いでも、私は最初ベゼドラの本当の顔も知らなかったんだぞ? 通りすがりの他人にいきなり知り合い顔で地下室へ監禁さ
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