瑠璃色の死神ー後編
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ま突っ込むかの様に曲がり角に入り、腰に有ったナイフを取り出した。この角を曲がったすぐ先に獲物がいるはずだ。そのままこのナイフを突き刺せば後は簡単である。その先の事を考えるだけで言葉に出来ない高揚感が男を襲った。
男が曲がり角を曲がる。そして瞬時に獲物の位置を定め。
「いない……」
男は不意の出来事に思わず声に出して呟いてしまった。
直後。男の首元に鋭利な刃物が突き立てられる。この体勢であれば刃物はいつでも首を切ることができるだろう。
「貴様……いつから」
男は怒りに溢れた声で叫んだ。男は既に自分の状況を理解していた。それを証明するかの様に男の背後を取った人物が口を開いた。
「俺に何の用だ?」
そう言って真紅のコートを着た少年。紅い流星ファルはニヒルな笑みを浮かべた。
◆◆◆
「貴様……いつから」
俺の目の前で黒フードの男は激怒した様に叫んだ。いやそれこっちの台詞なんですけどね。
「俺に何の用だ?」
俺はとりあえずそれっぽく笑っておいた。
ラピスのカレーを美味しく頂いてからおいとまさせてもらいここまできたが。まさか命を狙われることになるとは、世も末だな。
まぁ何はともあれ、状況は圧倒的俺の有利である。奴も下手をすれば自分の命に関わる事は分かっていることだろう。暫くは均衡状態が続くんじゃないだろうか。最も俺が先に手を出したならば俺がオレンジ或いはレッドプレイヤーになってしまう訳だが。
そんな事を考えていると男は方頬を吊り上げる。何か仕掛けてくるか。そう思った瞬間男の肘が俺の鳩尾に直撃した。
「ぐっ……」
俺は僅かに後ろに後ずさる。実際にスキルでも剣による攻撃でも無いため、ダメージその物は発生しない。しかし、その攻撃は俺をよろめかすには充分な物であった。その僅かに生まれた確かな隙を男は見逃さず、直ぐ様俺との距離を開ける。
「随分とチキンじゃないか?紅い流星さん」
「そう言いつつ距離を取るあんたに言われたくないけどね」
男の挑発らしきセリフに負けじと言い返す。それにしても、チキンと言われれば全くその通りである。この黒ローブの男は俺が手を出すことに躊躇することを見越していたのだろう。実際大半のプレイヤーはデュエル以外によはの攻撃に抵抗や躊躇いを感じるはずだ。その心理を逆手に取り男は大胆にもこちらに攻撃を仕掛けてきたのだ。これではチキンと呼ばれても致し方あるまい。
状況がこうなってしまうとこの殺し屋ローブの方が圧倒的有利となる。こちらから手を出すと俺のマークの色が何かしら変化してしまう。そらを回避するには向こうからの武器によふ攻撃を確認する必要がある。これはシステムのみぞ知る所なのだが、その攻撃をくらう必要は無く
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