瑠璃色の死神ー後編
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題視されていた。
もちろん、そんなギルドが野放しにされていて良いはずもなく、攻略組によって大規模戦争が行われたのだ。激しい抗争の末、苦くも勝利した攻略組の手によってラフィンコフィンは解散させられ、その所属メンバーは一層の地下牢にお縄となった。だが、そこから逃げ延びたメンバーが残っているらしく、血盟騎士団の調査隊が捜索中との事だ。もしどこかに潜んでいるのならこの街は打ってつけであろう。
「着いたよ」
ラピスの言葉に思考を中断させた。いつの間にかラピスの家に着いていたらしい。
ラピスの家は決して広くは無いがおんぼろ家屋という程の場所でもない。むしろこのアルゲートの街には似合わない綺麗なレンガ造りで、さしずめ中世ヨーロッパの家といったイメージだろうか。
ラピスの後を追って家の中に入る。室内もどこか中世染みていて幻想的にすら感じてしまう。
ラピスは紺色のローブを脱ぐと近くに有った上着掛けに吊るした。ラピスがローブを脱いだことにより、黒のノースリーブシャツがあらわになる。その、何て言うか、目のやり場に困る。
これといって何が有るわけでも無いが俺は咄嗟に視線を逸らす。その様子を見ていた訳でもないラピスはなにくわぬ様子で口を開いた。
「適当な所に座って待ってて、今から作るから」
「お、おう」
俺は返事をすると目の前にあるソファーに腰をかけた。だが座った所で特に何か有るわけでもない。手持ち無沙汰な俺は周りをキョロキョロ見回した。
室内は普段のラピスからは考えられないほど綺麗に片付けられており彼女の意外な一面が垣間見える。今思うと俺は彼女の事を殆ど何も知らない。わがままだとか死神と呼ばれているだとか表面的な事ならある程度は分かる。しかしもっと踏み込んだ部分となると全く持って分からないのだ。たった一つ俺と共有していた目的が有ることを除けば。
思い返すと、彼女と出会ってからそう言った話をしてこなかった。いや、そうではない。俺がその様な話を意図的に避けてきたのだ。
それはきっと俺が誰かとの距離を縮める事を恐れているからだろう。他人の事など信頼出来ない。結局人はいつだって裏切る生き物なのだ。信頼なんてするだけ無駄。そんなまやかしにすがるくらいなら俺は一人でいる道を選ぶ。今までそうして来たのだから。
そうなると一つの疑問が浮かんでくる。俺にとってラピスとは何なんだ。
俺は調理台の前に立つ彼女を見つめた。俺の視線に気づいたのか俺を見てニコリと微笑んだ。
死神ラピス。詳しい経緯は分からないがそう呼ばれている。それは単に見た目が死神っぽいからとかいう表層的な理由では無いことは言われるまでもなく分かってはいるのだ。
しかし、普段の彼女からはその様な印象は見受けられな
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