瑠璃色の死神ー後編
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くと彼女が立ち止まる。すると今度は全身振り返った。振り返った彼女は極上の笑顔を見せるとすぐにまた踵を返して歩き出した。
「死神ねぇ」
スキップしながら歩く彼女の後ろ姿はもうすっかり遠くなっていた。きっと俺の声など届いていないのだろう。死神ラピス。皆はそう呼ぶけれど、やはり俺には彼女は死神になんて見えなかった。だけど他になんて形容すれば良いのか良くわからないので、やっぱり死神で良いのかもしれない。なんて思ってしまった。
ただ普通の死神では他の人が言うところの死神と差がない。それはなんか癪だったので瑠璃色の死神ということにした。恐らくラピスの名前の由来であろうラピスラズリ、瑠璃色。彼女を表すのはこの言葉が最適だと直感的に思った。だから瑠璃色の死神。
きっと瑠璃色の死神は優しくて強い。だから、俺はそんな彼女に憧れるんだ。そしていつの日か……。
「ありがとな、ラピス」
誰にも聞こえないようにそう呟いて、彼女の後ろ姿を見送った。
◆◆◆
「意外、まさか歓迎してくれるなんてね」
アルゲート奇襲事件から翌日、晴れ空の中朝早くから我が家にけしかけてきたラピスは意外そうな顔を見せた。俺はそれに咳払い一つして言い返す。
「来るって分かってたしな。それにどうやったって力付くでも俺の事を連れてくんだろ?」
「分かってるじゃん」
ラピスは俺の部屋のドアノブに手を掛ける。
「じゃあ行こうか、ヒースクリフの所へ」
ラピスはそう言うと足早に部屋を出る。
「おい、待てよ!」
俺はそう叫ぶと、彼女の後ろ姿を追いかけた。
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