瑠璃色の死神ー後編
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イフと同じものだったようだ。
ラピスはしゃがんで、倒れているジェネラルを見下す。
「これで少しはファルの気持ちも分かったんじゃない?」
「……」
ラピスの言葉にジェネラルは何かを言った様だが麻痺の為声にはならない。それを見たラピスは鼻で笑った。
「それじゃ、あまり時間かけてもつまらないからね。さっさと終わらせようか」
そう言ってラピスは剣豪が居合切りをするかの様な構えをとった。
両手剣ソードスキル「バスターブレイク」両手剣中級スキルで剣を居合切りの様な構えをトリガーに発動し、強力な水平切りを放つ技なのだが、威力はともかく、後隙が非常に大きい技なのだ。故に使う機会が殆ど無く、最弱の技と呼ばれていたりする。しかし、ラピスが持つ武器、デスサイで使用した場合特殊な補正がかるのだ。後隙が多少減少するのだが本質はそこではない。何より威力が桁違いに大きくなる事にある。具体的に言えば、高レベルプレイヤーで、タンク仕様でもなければHPの6割位は平気で削り取る程に。
ラピスが剣を構えた直後、倒れているジェネラルに向かって目にも止まらぬ速さで剣を振り抜いた。バスターブレイクの範囲は非常に狭く剣の刀身の長さがそのまま範囲となる。だが、動けない相手に当てるのだから範囲なんて物は関係ない。
バスターブレイクがジェネラルに命中するとみるみるうちにHPが減っていく。こちらからはゲージでしか確認出来ず、具体的数値は分からないがかなりの量が減っている。6割ほど有ったジェネラルのHPが1割にまで減り尚も減り続けく。
ジェネラルのHPはすぐに0になった。正確に言えば俺が視認する限りは0にしか見えない所までは減っていたということになる。だが、ジェネラルはその場に倒れたままだ。この世界において、HP又は耐久力が0になった物は例外無くポリゴン片となり消滅するルールとなっている。だがジェネラルは未だこの場に居るということはHPが0では無いという事なのだろう。
そんな事を考えているとラピスがジェネラルの眼前で笑顔を見せた。
「どう?死ぬ寸前の気分っていうのは悪くないでしょ?」
ラピスはそういうと見下すような視線を向けて続けた。
「これに懲りたら二度とファルに手を出さないことだね」
死神。確かに、彼女は死神なのだろう。だけど。
「行くよ、ファル。立てる?」
「ああ、何とか」
ラピスは倒れている俺に手を伸ばす。俺はその手を取り、何とか立ち上がることができた。
きっと、いや確かに。
「肩貸さないと歩けない?」
ラピスが心配そうに俺に尋ねる。それに対してできる限り普通通りに答えた。
「もうすぐ麻痺が完全に解けそうだからそれまで頼む」
「了解」
そ
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