瑠璃色の死神ー後編
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る。だけど、彼女の場合は、何処か自虐的で、悲しそうに思えた。
そんな事を考えている間にまたジェネラルのHPが1割り削られる。これで残り5割り、50パー程となった。
「さっきも言ったけど私、結構怒ってるんだよ。容赦はしないからね」
ラピスはゆっくりとジェネラルに近付く。ジェネラルはラピスの動きを見極めるようじっと見ながら後ずさる。ここまで来るとまだ諦めない事に驚いてしまう。ジェネラルは突如ラピスに突っ込んでいった。
ソードスキル、ヘビーストライク。
片剣のヴォーパルストライクの両手剣版の様な技で、両手剣を構え物凄い勢いで相手に向かって突進する攻撃である。両手剣にしては威力が低いが、射程、発生の両方が優秀な技で、多くの両手剣使いが好んで使う技でもある。対戦においても、相手の虚を突くのに便利だったりするのだが、ラピスにもそれはお見通しだった様だ。ラピスは悪者っぽく口許を歪ませた。だが、その後の行動が不可解だった。
ラピスは避けるでも無く、防御するでも無く、自分の武器である鎌を地面に突き立てたのだ。かなりめり込んだそれはちょっとやそっとじゃとても抜けそうにない。かなりの力を込めればあっさり抜けそうではあるが、60分の1秒を争う対戦において、そんな時間を確保することはまず不可能のはずだ。かと言ってラピスが何も意味の無い事をするとは思えない。一体何を考えているのか。
ジェネラルのヘビーストライクがラピスに直撃する。攻撃を貰ったラピスは鎌に両手を掛け、ギリギリの所で踏みとどまる。HPの2割が吹っ飛ぶがここにラピスの狙いがあったのだ。
本来であればヘビーストライクを食らったプレイヤーは吹っ飛ばされるはずだが、ラピスが突き立てた鎌を支えに何とか踏みとどまることができていた。これによりヘビーストライク使用によって課せられる硬直時間をフルに自分の物とすることが出来る事になる。
「肉を切らせて骨を断つ。ってね」
ラピスはそう言うと鎌を両手で思いきり引っ張る。先程の衝撃で抜ける寸前だったのか得物をあっさろと抜くことが出来た。そしてラピスは懐から一本のナイフを取り出す。取り出したナイフを一瞥すると、何の躊躇いも無く、ジェネラルの腹に突き立てた。
突如、ジェネラルが地面に突っ伏した。
「こ、これは」
ジェネラルが驚いた様な声を上げるが、その声は思いの外掠れていた。ジェネラルのこの症状には覚えがある。その答え合わせをするかの様にラピスがナイフを指先でクルリと回した。
「そこに落ちてたナイフ、もしかしたら麻痺ナイフなんじゃないかと思ったけど、当たってたみたいだね」
ラピスが言っているのは、おそらく最初に俺を襲ってきたガルドとかいう男が落としていったナイフだろう。あれもジェネラルが持つナ
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