瑠璃色の死神ー後編
[13/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
詰められるともう回避は不可能だろう。
だが、ジェネラルも咄嗟の判断で剣を前に構え、防御姿勢を取った。この瞬間、ラピスはニヤリと口許を歪ませる。
ソードスキル「ストライクロワ」
エクストラスキルである体術の一つで、相手に拳で下段突きを放つ初級の攻撃だ。体術の中では比較的威力が低いがそれでも、射程がかなり短く設定されている分他の武器のソードスキルと同等以上の威力を持つ。
ブルーに輝くラピスの拳がジェネラルの腰付近に直撃した。ジェネラルは小さく後退りして、HPのおよそ1.5割りが削られる。ジェネラルが次の行動に移るよりも早く、ラピスが動いた。
体術のソードスキルは後隙が短いのが最大の特徴である。それにより、このような波状攻撃が可能となるのだ。
体制を建て直そうとするジェネラルの眼前にラピスの鎌が襲いかかる。
両手を使って振られるそらはいくら威力が小さいと言っても、男一人吹っ飛ばすのには充分事足りた。
ジェネラルは軽く5メートル位吹っ飛ばされ、また1割りほどHPが削られた。だが距離が開いたことにより、体制を建て直すには充分な時間がある。攻守が逆転するのだ。
ジェネラルは重そうな剣を担いで、ラピスに向かって走り出す。この時点でどれ程の読み合いが行われているのだろう。ラピスもジェネラルに向かって走り出す。
危険を察知したのかジェネラルは動きを止め迎撃態勢に入った。
結局最初と似たような状況になる。ジェネラルは今度ラピスから向かって左側へとサイドステップをした。
上級者は同じ手に二度かからない。おそらく、横からラピスが通り過ぎるのを待って背後から攻めるつもりなのだろう。だがしかし、真の上級者は同じ手を二度も使わない。
ラピスは今度は目の前で剣を水平に切る。
両手剣、ソードスキル、「サイドレイス」。水平方向に範囲の広い初級ソードスキルである。後隙、発生共に他の両手剣ソードスキルと比べて短く、使い勝手のいい技である。難点は前方への範囲がやや狭い事と威力が物足りない事くらいだが、範囲に関してはジェネラルはラピスンの右斜め前にいるため今は問題ない。
水色の軌跡が描く斬撃は横方向に避けたジェネラルに見事ヒットする。これによりジェネラルのHPが1.5割り程削られた。
「おやおやどうした?残りHP6割ってとこだよ?」
ラピスがそう問いながらゆっくりとジェネラルに近づく。
「ちっ。死神が」
ジェネラルの毒づくような台詞にラピスは心底楽しそうに笑った。
「今更何を言ってるの。死神に歯向かうこと自体が間違ってるんだよ」
死神。彼女が自分の事をそう呼ぶ度に心に針の先が刺さるような痛みを覚えた。死神という言葉に誇りがあるならまだ納得でき
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ