瑠璃色の死神ー後編
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くないんじゃないかな?」
そう言ってラピスはクルリと踵を返した。その動作に男が咄嗟に距離を取る。その一連の流れを見た俺がぼそりと呟く。
「自分で可愛いって言うか?普通」
「うるさい」
ラピスが軽く蹴りを入れてくる。麻痺のせいで痛みも何も感じなかった。
俺に蹴りを入れてやや満足気なラピスは思い出したかの様にアイテムポーチから手のひらくらいの四角い結晶を取り出した。
「ほい、回復結晶。おみやげね」
そう言って目の前にかざされると、結晶がポリゴン片となって消えて俺のライフがみるみる回復していく。
それを確認したラピスは鎌を男に突きだした。
「さて、それじゃ。ファルと遊んでくれたお礼をしておかないとね」
「チッ、やるしかないか死神さんよぉ!」
男が叫んだ後に身構える。それを見たラピスは楽しそうに微笑んだ。
「私こう見えても結構怒ってるんだよ。生きて帰れると思わないでね」
悪役らしい台詞を、語尾に音符マークが付きそうな声音で言い終えると、ラピスは鎌を持っていない方の手を僅かに挙げ、軽快に指を鳴らした。
「イッツ、ショータイム。死神のショーを見せてあげるよ。元ラフィンコフィンのジェネラルさん?」
ラピスははそう言ってニヒルに笑った。
◆◆◆
ラピスの持つ死神の鎌の様な武器「デスサイズ」は他の両手剣に比べて重量が軽く設定されている。筋力パラメーターにある程度振っていれば片手で振り回すこともそう難しくはない。だが、その分その攻撃力も低めに設定されている。ソードスキルのモーションは他の両手剣と変わらず、両手持ちが基本となるので、見た目を除けば、優秀な武器とは言えない物だった。
「さて、始めよっか」
ラピスは軽い雰囲気でそう言うとすぐに間合いを詰めた。鎌を構えたラピスを見る限り突進のそのままの勢いで攻撃するのだろう。それならばデスサイズの攻撃力の低さも僅かだがカバーできる。
しかし、ラピスにジェネラルと呼ばれた男もかなりの強者のようだ。普通人が逃げるであろうタイミングから僅かに遅く後ろに大きくバックステップした。この技術は相手の攻撃を回避するのに有効な一手である。
一般のデュエル何かであれば攻撃側が相手の回避に反応できず、攻撃が空を切る事が殆どだ。ゲーム故に現実とは違う異常な速さのスタートダッシュができるため、タイミングがつかみにくいこともそれを助長させているのかもしれない。だが、それが通じるのはあくまで初級者から中級者まで。少なくともラピスにそれは通じない。
おそらくジェネラルの回避をよそくしていたのだろう。最初にジェネラルが居た位置よりもさらに奥までノンストップで走り、今ジェネラルがいる位置までダッシュする。ここまで
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