瑠璃色の死神ー後編
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大きめだ。攻撃が直撃すればそれなりの装甲でも大きいダメージを与えることができる。
そんな攻撃がまたしても俺に襲いかかる。
「グッ……」
掠れ掠れだが僅か確かに音量のある悲鳴が喉から飛び出た。だが小さかったその声は男には届いていなかったようだ。
男はここで一旦手を止める。そして嘲笑うかの様に俺の支線に顔を合わせた。
「それにしても、抵抗できない相手をいたぶるのは最高に気分がいいねぇ」
「最低だな」そんな感想が浮かんだが声にして出すことは叶わない。まだ喉の麻痺が解けた訳ではないようだ。
全身を襲う痺れは未だに解ける気配もない。いよいよ年貢の納め時か。
その予想を待ってましたと言わんばかりに男は剣を構える。
「ファル。貴様はこの最弱のソードスキルで止めをさしてやるよ」
そう言って男が剣を構えようとしたとき、何処からか足音が聞こえた様な気がした。その音は男にも届いたのか一瞬動きを止める。次第に足音が大きくなっていく。どうやらこちらに向かってきているようだ。
男は足音のする方をじっと見つめている。それなりに近くにいるようだが如何せん暗くてハッキリとは分からない。その正体を証明させてくれるかの様に足音のする方から声が聞こえてきた。
「おやおや、こんな所でどんなマニアックなプレイしてんのよ」
すっかりと聞きなれたその声は俺だけでなく男もその正体に気づくものだった様だ。
紺色のローブを纏い、死神の鎌を肩に掛けるその人物は驚いた様な顔を見せる
「およ?誰かと思えば。ファルじゃん、さっき振りだね。こんな趣味が有ったなんてねぇ、意外だよ」
死神ラピスはこんな状況でもいつも通り、最早悪意があるんじゃないかってくらい、屈託の無い笑顔を浮かべた。
◆◆◆
「んで?なにしてんの?」
ラピスが真面目に尋ねてくる。しかし、その声には緊張感の欠片も無かった。
「おい」
男がこの弛緩し始めた空気に痺れを切らしラピスに声をかけた。
「今ファルに聞いてるんだけど?」
ラピスが男を睨み付け、すぐに俺に向き直る。
「無視ですか?随分と高いご身分ですね?」
「そ……な……じょう…きょ……に……るか?」
何とか出した声にラピスはようやく状況を理解したように手を叩いた。
「既に事後って訳だ。何か邪魔した見たいでごめんね」
「何でそうなるんだよ!」
あ、声でた。
どうやら声帯の方の麻痺は解けた様だ。その安堵も束の間男がラピスの背後からナイフを突きだそうとしていた。
「ラピ……」
俺が叫ぶよりも早くラピスは後ろも見ずに男の手を払った。
「いくら私が可愛いからって手を出そうとするのは良
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